去年読んで心に残っている本を10冊ほど紹介してみたい。
2022年は大量に読んで(1ヶ月に20冊以上とか)、瞬く間に忘れていった。2023年は特に後半から、ゆっくりじっくり味わって読む方向に。気に入った本は何度も読み返した。
漫画や料理本も入りつつの、まったり10冊を選びました。読書の楽しみをお裾分けできたら嬉しい!
- 『今日のおやつは何にしよう』
- 『ハラヘリ読書』
- 『貧乏サヴァラン』
- 『ことばの食卓』
- 『週末が待ち遠しくなるとっておきのお菓子』
- 『安西水丸 東京ハイキング』
- 『愛のエネルギー家事 すてきメモ303選』
- 『10品を繰り返し作りましょう』
- 『私の部屋のポプリ』
- 『エッセイストのように生きる』
『今日のおやつは何にしよう』
益田ミリさんのエッセイはたくさん読んだことがあるけれど、特にこの本はとっても気に入ってしまい、3回くらい読んだ。
短い日常エッセイの中に、クスッと笑える部分やハッとする一節がある。
楽しみを内側に持っているのはなかなかよいものである。
"実態がよくわからない"が、"全体が把握できた!"に変わると、人って強くなるようである。
忘れられる心地よさも大人ならでは。
「ぶりお」や「アドベントカレンダー」は好きすぎて書き写してしまったほど。かわいい表紙の文庫をポケットに入れて、カフェで、おうちで、何度でも読みたい。
『ハラヘリ読書』
宮田ナノさんのコミックエッセイ。私の読書観を変えてくれた一冊でもある。
趣味は
読書です…
と自己紹介が始まるのだけど、
冊数だけで言うと
それほど多くは
読んでこなかったもので
と続く。
というのも宮田ナノさんは、同じ本をボロボロのになるくらい何度も繰り返し読む読書スタイルなのだそう。そんなご自身のことを、「ぼんやりした気楽な本読み」と評しているのだが、私は震えた。
かっこよ……
とにかく勢いよく大量に読む or 無の時期を繰り返す極端な私は、読んだ先から勢いよく忘れていく。せっかく大好きな「本を読む」という行為がなんだか「消費」になっている気がしてモヤモヤしていたところ。私も真似したい!とさっそく読書スタイルを変えてみた。
想像以上に良い。
じっくり味わう読書、とても満たされるしおすすめです。
宮田さんおすすめの、食べ物の描写が素敵な本を、ちょっとずつ読んで、楽しい2023年下半期だった。
ちなみに、同じ著者のこちらもめちゃくちゃおすすめです。
『貧乏サヴァラン』
『ハラヘリ読書』の中で紹介されていた森茉莉の名著『貧乏サヴァラン』を、さっそく読んでみた夏。
美味しいものへの愛、料理を拵える喜びの描写については、前に感想を書いた通り。
実は一番好きなのは、「楽しむ人」というエッセイだったりする(同書62ページ)
私が若い女の人たちに言いたいことは楽しむ人になってもらいたいことだ。
という一文に始まる。
「楽しみ」や「楽しいこと」という言葉は世の中に溢れているが、「楽しむ人」になるという視点は、忘れがちではないだろうか?
「娯楽」と「生きる喜び」は全くの別物であると説く、この文章も好き。
そういうものはほんとうの楽しさではない。皮膚にふれる水(又は風呂の湯)をよろこび、下着やタオルを楽しみ、朝おきて窗をあけると、なにがうれしいのかわからないがうれしい。歌いたくなる。髪を梳いていると楽しい。(中略)そんな若い女の人がいたら私は祝福する。
何度読んでも、名著でしかない。
『ことばの食卓』
初めて読んだ、武田百合子。
本屋さんの棚でパラパラと捲って読み、心惹かれて選んだ一冊。
単に「ほっこり楽しい」という世界観とは違い、どこか不気味さや怖さも潜む日常の断片。その描写の凄さに圧倒されるというか、文字を追い、言葉を味わう贅沢さに浸れるエッセイの数々。まさに「心に残る」読書体験だった。
武田百合子にハマった私はこちらの『遊覧日記』も読んでみた。上野や浅草、隅田川などが出てきて楽しい。一番好きなのは「青山」で、ぜひ読んでみてほしい。
『週末が待ち遠しくなるとっておきのお菓子』
こちらは本の紹介と合わせてお菓子作り日記を書いたばかり。
世の中にお菓子のレシピ本は無数にあるけれど、一つ一つのヴィジュアルもキュートでユニーク。懐かしいような素朴さと新しさの共存。
作る楽しさが詰まっている、永久保存版の一冊です。
『安西水丸 東京ハイキング』
本屋さんをブラブラしていたら、秋、読んだことのない安西水丸さんの本を見つけて小躍りする。2023年5月に発売された本だった。文章と絵、俳句で綴られる、東京の街歩き12ヶ月。
飛鳥山から王子神社、谷根千、深川(!)、月島から佃島、上野公園、竹芝桟橋、神田神保町、築地、人形町。目次を見て大興奮。私の好きな街ばかり!
ページを捲るのも惜しいような気持ちで大事にちょっとずつ読んだ。これからも何度も読みたい。
『愛のエネルギー家事 すてきメモ303選』
本書は、暮らしの提案集です。
生活と気持ちを明るくする工夫と、疲れた時に寄りかかって休める、止まり木のような言葉を集めました。
きっかけの言葉、止まり木のような言葉。
疲れ切ってしまったり行き詰まってしまったとき、何度救われたかわからない。めくるたびに新しい視点と出会える!
▽最初に読んだのはこちらでした▽
『愛のエネルギー家事』も素晴らしい本なのだけど、2年後に出版された素敵メモ303は更に生活に寄り添ってくれる本になっていると思う。
いつも手元に置いておきたい一冊です。
『10品を繰り返し作りましょう』
このあいだ熱い感想を書いたばかり。
複雑な調味料や出汁にとらわれず、少ない材料で美味しいごはんを作れるようになる。
『私の部屋のポプリ』
10年以上前に一度手にしたことがあった文庫本。途中まで読んで手放してしまったことが、ずっと心の奥に引っかかっていた。
この素敵な表紙は記憶に残っていたのだけど作者もタイトルも忘れてしまい、やっと見つけてもう一度手元に。
本一冊も一期一会だなぁとしみじみ。
もしかしたら、ガラス瓶は透明な所に光が当たっている時が一番美しいので、物をつめこまれることを拒否しているのかもしれません。
貯金箱について書いたこの一文の美しさ。やりたいこともやるべきことも何もできない気分の日、このガラス瓶の透明な光のことを思い出して、ゆったりした気持ちになったりする。
香りたつような文章、宝石箱のような一冊です。
『エッセイストのように生きる』
もう5回くらい読んでボロボロになってしまった。それくらい私の生活に欠かせない、友達のような存在に。
感想をちゃんと別記事で書きたいと思っているのだけれど、とにかくこの本に出会って、時間の過ごし方も手帳の使い方もスマホとの付き合い方も、全てが変わったなぁと驚いている。
日々を慈しむ喜びを教えてくれる一冊だった。心からおすすめです。
2023年はご飯作りを再開したこともあり、料理の本が多かった。なんとなく小説気分にはならず、エッセイを手に取った一年。
村上春樹さんの『村上ラヂオ』シリーズ、角田光代さんの『よなかの散歩』など、昔読んだエッセイ集をもう一度買って読み返したり。
2024年はどんな本に出会えるだろう?
今年の目標は「ゆっくりじっくり味わうこと」
— ayako | 作って書くひと (@Sweettteatime) January 28, 2024
11月の後半から服や本や器などを買わないのを続けていて、来週の誕生日に久々に新しい本2冊を買おうと思っている。
手帳の読みたい本リストを眺めつつ、どの本にするかワクワクしている!
誕生日プレゼントに買った本の話もまた今度。
一冊一冊との出会いを大事に、今年は小さくても自分の本棚を作れたらいいなぁ!
Sweet+++ tea time
ayako
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