居候生活中、面白い小説に次々出会ったので紹介したい / 妹の本棚より

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引っ越しに失敗し妹の家で居候生活をしている。この日々を端的に表すと、

やることがない。

なにせ持ち物がないので。

刺繍もできないしお菓子作りもできない。

妹宅の冷蔵庫は賞味期限切れの調味料類で埋め尽くされていて(恐ろしいことに2019年ものも余裕で存在)、食材が入らないので料理する気も起きない。

「映え」など1mmも許さない完全無欠の自堕落生活では、当然ながらカメラの出番もない。普段かろうじてお洒落な部分(当社比)を無理やり切り取らされているGRⅡも、今はスーツケースに眠っている。

そんなロングバケーションの最中にある私が何をしているかといえば、読書である。

居候生活を支える素晴らしい小説たちを紹介するよ

というわけで元気二歳児の寝かしつけ後に興奮して読み進めた本を4冊を紹介したい(やっと本題)

ステイホームな日々に最高なのでぜひ読んでみて〜!

『わたしたちは銀のフォークと薬を手にして』島本理生

なんか本当にめちゃくちゃいい、雑な感想だけどもう本当にめちゃくちゃいいので読んでほしい。

島本理生(敬称略)の美しくて繊細な描写にはうっとりするし(でも読みやすい)、食事のシーンが特に印象的な小説で、旅先とかデートでゆったりとお酒を飲みながら味わった懐かしい時間を想ったり…(外食は今、秒でかき込む戦場である)

かといってお洒落なだけの恋愛小説ではなく、実は重いテーマを扱ってもいる。詳細はネタバレになるので伏せるけど、自分の中の知識がアップデートされたのも良かった。偏見は無知から生まれる。興味のあることだけを検索するのではなく、散歩しながら木の実を拾うように、偶然に広がる世界や知識が自分の生き方を支えて豊かにしてくれる。

何はともあれ、極上の恋愛小説なので心が潤うこと間違いなし。二日間ほど、夫が二割増しカッコよく見えたくらい凄まじい魅力を秘めた一冊だった。

わたしたちは銀のフォークと薬を手にして (幻冬舎文庫)

『まほろ駅前多田便利軒』三浦しをん

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

東京郊外(町田だと思う)で便利屋を営む男と、そこに転がり込んできた元同級生の男二人が、様々な依頼事から事件に巻き込まれたりしつつ奮闘するみたいな話。

探偵モノ的な雰囲気がありつつ、それぞれの事情や傷を負って生きる人たちが丁寧に描写されていて、展開に白けることがない。一気に読んでしまった。

ふたりの過去や秘密が少しずつ明らかになっていく仕掛けもまた、失速しない面白さに繋がっている。理不尽や残酷さのない世界はないし、誰しも密かに抱える過去や哀しみがあり、生活はいつだってしんどさと隣り合わせだ。

「自分でやればいいのにって依頼がほとんどじゃない(中略)どうしてわざわざ、お金を払うひとがいるんだろ」

便利屋という仕事に対する高校生からの無邪気な問いに、主人公はこう答える。

「おかげで俺は、飯を食っていける」
(中略)
「金を払ってでも雑事から解放されたい、ってときがあるんだよ」

「幸福」を「掴む」とか「感じる」ではなく、「再生する」と表現するラストも印象的だ。それはつまり、失われ、損なわれ、また新しく生まれるものだということだ。

形を変え、さまざまな姿で、それを求めるひとたちのところへ何度でも、そっと訪れてくるのだ。

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』池井戸潤

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたちバブル入行組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

誰もが知る「半沢直樹」シリーズの1と2を、今さら初めて手に取った私である。

そう、どんなに高視聴率で話題になっていようと、

「倍返しだ!」

「へ〜(今日何食べよう)」

と素通りするくらいには浮世離れしている私である(もちろんドラマは見たことがない)

ドラマに限らず、流行りの音楽も小説もゲームもあらゆる波に乗れたことがない(「クラブハウス」はデニーズのクラブハウスサンドでしかないし「あつ森」と聞いてもつけ麺のオーダー方法しか思い浮かばない)

だが満を持して出会うと必ず思う。

本当にめちゃくちゃ面白いじゃん…

波は、乗ろう。乗れそうなやつは、果敢に乗っていこう。浜辺で悠長に貝を拾ったり穴を掘ってる場合ではない。いつもそう思っているのに、必ず乗り遅れる。世の中から数回遅れでひとり衝撃を受け、もうとっくに話題に登らなくなった頃、孤独な興奮を味わっている。

というわけで、実は半沢直樹を知らないよという私のような変わり者がもしいましたら、強くおすすめする。

第一巻▷オレたちバブル入行組 (文春文庫)

第二巻▷オレたち花のバブル組 (文春文庫)

三巻と四巻もぜったい買って読む!ドラマも観るぞ〜!

*・*・*

 

今のところ、こんな感じの四冊でした。

ほかにも、昔読んだことがある名作たちが本棚に並んでいて、見ていて懐かしい。

夢をかなえるゾウ1

夢をかなえるゾウ1

夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神

夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神

  • 作者:水野敬也
  • 発売日: 2020/07/09
  • メディア: Kindle版

文句なしの名著夢をかなえるシリーズ、去年4が出ていたこと初めて知った!ぜったい読む。

氷点(上) (角川文庫)

氷点(上) (角川文庫)

氷点(下) (角川文庫)

氷点(下) (角川文庫)

沈黙(新潮文庫)

沈黙(新潮文庫)

  • 作者:遠藤周作
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: Kindle版

言わずと知れたキリスト教文学の名作たち。三浦綾子と遠藤周作の小説は、学生時代にいろいろ読んだな〜!あ〜懐かしさしかない…(地味で暗い青春である)

無数の新刊が並ぶ巨大本屋で読みたい一冊を選ぶのはそれだけで一苦労だけど、妹の小さな本棚から読んだことのない文庫本を手に取るだけ、しかも当たりしかない(似てない姉妹だけど皿と本の趣味だけは一致している)最高の読書環境なのだ。

なんだってそう、選択肢は多ければ多いほどいいわけではないのだよね。

去年読んだ面白かった小説もまた紹介したい!

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Sweet+++ tea time
ayako

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