おしゃれな義母からおしゃれな本をもらった。
『フランス人の部屋にはゴミ箱がない』
というタイトルである。
「またフランス人シリーズか、ど〜れお手並み拝見と行きますか(苦笑)」
クスっと笑いながらページ開いた私は謎に余裕綽々であったが、その数秒後、見事にこの本の虜になっていた。完全に引き込まれた。
次々とページをめくり、おしゃれな写真に目を輝かせ、「フランス人」の生活スタイルの素晴らしさに相槌を打ち、やがて確信に近い予感を抱くにいたった。
私ってもしや、フランス人なのでは?
「はい、おめでとう〜」とページを閉じようとしたあなた、しばし待っていただきたい。順を追って説明しよう。
「フランス人」との共通点がありすぎる件について
「フランス人の部屋にはゴミ箱がない」
言われてみれば我が家にもない。3部屋あるが、リビングにクラフト紙の紙袋を置いておき、そこに捨てに行くスタイルである(紙袋ごとゴミ捨てに出す)
脱衣所にも寝室にも、思えばゴミ箱はない。いろんな部屋に置いたゴミ箱を回収するのがめんどくさいし、生活感を極力出したくない私は一人暮らしの頃からそうなのだ。表題からさっそくの「フランス人」ぶりなのである。
「かわいい缶や瓶は再利用」
これはもう私の趣味そのものである。蚤の市大好き、かわいいクッキー缶大好き、それを食べ終わったあと何に使うか考えるの大好き。
「食事のしたくに手間をかけない」
当然である。なぜなら料理が好きじゃないから。
この本によれば「フランス人」は洗い物の量を減らすためにワンプレートごはんにするというが、まさに同じ理由で私もワンプレートが好き。なんなら外食がいちばん好きだけど。
「メイク用品はほとんど買わない」
ああ、ここまで似ていていいのだろうか?読者の皆さんご存知のとおり、私は美容におそろしく興味がない。
メイク用品はよほど困れば自分で買うが、だいたいもらいものを使いながら過ごしている。化粧品にもブランドにも興味がわくことがないままに30台に突入してしまった。それもこれも「フランス人」だったからなのか!
「服を買うより花を買う」
はい来ました。これ私。
試着がめんどくさいという怠惰な理由で、私はめったに服を買わない…でもお花を買うのはたしかに好きである(特にポリシーがあるわけじゃないが)
どうだろう?
「いや、どうでもいい」というのが読者の皆さんの率直な意見であろうが、こちらとしては今までの自分の不可解な点が、すべて紐解かれたようで実に爽快な気分であった。
「手作りのバースデーケーキ」とか「体を動かして、いつまでも美しく」といった章は完全にスルーし、都合のいい部分だけ取り出しておのれの「フランス人」ぶりに完全に悦に入っていた私である。
先日、夫と窓の外を眺めていた。
わりと高層階に住んでいるが、眼下に広がるのは大都会TOKYOの美しい夜景…などではなく居酒屋が並ぶ東京下町の古ぼけた道路と、そこを歩く酔っ払いのサラリーマンである。
夫がうっとりとした顔で言った。
「この窓から見える景色がパリだったら、僕たちもフランス人って感じかな」
そんなわけないだろう。
穴の空いた靴下を履いて今日もご機嫌のロマンチストを前に、一気に冷静になる私がいた。
そう、ここにいるのはたまたま部屋にゴミ箱を置いていないだけの、呑気なアジア人夫婦である。
それにしても「フランス人は〜」で始まる本というのは実に多い。フランス人ではないものの、先日またツボにはまったタイトルがあった。
『なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?』
いいねぇ。私が本屋でニヤニヤしていたことは言うまでもない(実は面白い本かもしれない)
余談だが、フランス人は部屋にゴミ箱がないし10着しか服を持たないし太らないし、子どもにも仕事にも振り回されないし年をとるほど美しいし3つの調理法で野菜を食べている。
Amazonで「フランス人は」と検索すると大変興味深い結果が現れるのでぜひ試してみてほしい(よほど暇な人は…)
一向に近づいている気がしないよね。
Sweet+++ tea time
ayako
おまけ
フランスにおいて食洗機は標準装備の必需品らしい。ビルトインの食洗機っていいなぁ。
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