生活感のない、おしゃれな暮らしを目指した結果

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生活感のない、おしゃれな暮らしに憧れる。

先日、友人(男)が「彼女と同棲を始めようと思うんだけど家具とかどうしたらいいかな?」と私たち夫婦に質問してきた。ちなみに友人もその彼女もそれぞれ一人暮らしをしていて、彼女のインテリアは白やウッド調でおしゃれに統一されているという。

私は即座にこう答えた。

「自分の家具は、極力粗大ごみに出すか実家に置いてくるように」

友人は神妙にうなづき、夫は悟りを開いたかのような表情で、こう付け足した。

「そういえば僕の家具、ほとんどなくなったな…」

夫が持ってきた男物の無骨で黒くてまったくおしゃれとは程遠いインテリア。互いの家具を持ち寄った結果、ゴチャゴチャとチグハグの極みに達していた引っ越し当初の部屋が思い出される…

涙ぐましい日々の努力を重ね、リビングだけはおしゃれ空間になった。4年の歳月をかけてやっと生まれ変わったのである。

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私のことを冷たい女だと思うかもしれないが、それでもゴルフバッグのセット(黒くて巨大)、意味不明なガジェット類(黒い巨大モニターや謎のコード群)、重すぎる巨大圧力鍋(夫がラーメン二郎を再現する用)など、数々の妥協の品を受け入れながら暮らしている。

そんな私が守り抜きたい場所、それは冷蔵庫である。

何も貼らない冷蔵庫こそ、おしゃれ生活の砦である

ごちゃごちゃしててもオシャレな部屋というのは存在する。だがそれは上級者のスタイルである。

私はとにかくまっさらな冷蔵庫をキープすることに心血を注いできた。机の上や冷蔵庫、面の部分に余計なものを置かないだけで、部屋はぐっとスッキリするのだ。

意味不明なお土産マグネットはもちろん、クーポンやメモ紙など生活感のあるものを絶対に貼らない。タオルかけも付けない。こんな小さなこだわりから、「おしゃれな暮らし」は実現するのだ…間違いない…

 

さて、ある日のことである。

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誰かがビールのシールを集めているッ!

誰かって、もちろん夫である。

スーパードライの缶についているシールをせっせと剥がしては台紙に貼り、応募できる日を心待ちにしている。ああ、私の最後の砦が…

「当たったらコンサートだよ。これ、当選人数も多いし、かなりの確率でいけるはずだよ。B'zも歌うみたい。ayakoさん、当たったら一緒に行こう!」

「そうだね、早く貯めようね」

私は優しく微笑んだ。夫は応募するために、私は冷蔵庫からこの厚紙をどかすために、それぞれ別の思惑からスーパードライのシールが貯まるのを心待ちにした。

やがてシールはたまり、私は切手を貼ってポストに投函し、冷蔵庫は晴れてシンプルな姿を取り戻した。夫は当選の連絡に心を焦がしていたが、何一つ変化なく平穏な日々が過ぎた。B'zの歌声ではなく、夫の鼻歌だけが響いていた。

「コンサート、当たらなかったのかなぁ…」

しょんぼりしている夫に、「きっと応募する人多かったんだね」とやさしい慰めの言葉を掛ける。

ああ、これで日々の平安は取り戻せた。まっさらの冷蔵庫、置きっぱなしのものがない机、白とウッド調の静かなインテリア。落ち込む夫の陰で、胸をなでおろす私。

だが数日後である。

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また始まってるッ!

夫はごきげん顔で言った。

「次は宝くじ券が当たるんだよ。これをためて宝くじ券が当たって、年末ジャンボに挑戦だよ。楽しみだ…」

「へ〜、楽しみだね…」

恐ろしいことに、このスーパードライのシール、年中何らかの応募キャンペーンをやっているようなのである。そして夫はスーパードライが大好きなのである(私も好きだけど)

そもそもよく考えてみよう。ビールの缶に貼ってあるシールを集めて宝くじ券を当て、その宝くじ券によって宝くじを当てるという、二重の強運が必要なシステムである。ふつうに宝くじ券を買ったって当たらないというのに。しかしすでに当選したかのような心地でウキウキできる夫の燃費の良さといったらもう。

まっさらな冷蔵庫は、もう取り戻せないかもしれない…

私は遠い目で夫と冷蔵庫を見やった。

*・*・*

 

でも本当はわかっているのだ。

二人暮らし、それはお互いを思いやって暮らすこと。

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自分がおしゃれで生活感のないリビングを築きたいからといって、相手の楽しみを奪ってはいけない。おたがいの価値観を尊重しなければ。

完璧な暮らしをすることが目標ではなく、二人で楽しく生活するのが本当に大事なことなのだから…

*・*・*

 

さて、突然話は変わるようであるが、先日、100円均一のかわいいウォーターボトルを手に入れ、めちゃくちゃウキウキしていた。

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ここにお水はもちろん、好きな紅茶を入れて持ち歩くんだ。

かわいいキッチン雑貨を揃えるのは、なんといっても楽しい時間。お気に入りのティーバッグで水出しアイスティーを作っては、このボトルに入れておでかけに持ち出す私。

すると夫はこう言った。

「ayakoさん、なんで最近そんな哺乳瓶みたなので飲んでるの?」

 

哺乳瓶。

 

相手の価値観を尊重する、それはなんと難しいことであろうか。

ビール缶シールを嬉々として冷蔵庫に集める男と、哺乳瓶で紅茶を飲む女。それぞれに不思議な存在として、今日も元気に同じ部屋に暮らしている。

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まるでドラマの章タイトルみたいな切なさが漂うが、現実は…

理解できないからこそ、面白いことってあるよね(ポジティブ)

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Sweet+++ tea time
ayako

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お部屋作りで私がバイブルにしているのがこの二冊。めちゃくちゃ素敵でおすすめです。

 

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