踏切くんと今年の目標

「折り紙で踏切くん作ってほしい」

5歳児からの、2024年最初の無茶振りだった。

いや、これが家でまったりしている時間なら全然いいんですよ。これからお絵描きとか工作しようかみたいな時間なら尚更。

出発前の発言である。

これから家を出るというタイミングで、突然放たれる5歳の思いつき。

「え、今から公園行くってなってたじゃん?」

「だめ。折り紙で踏切くん作ってからじゃないと」

既に正午でお腹も空いている。午前中だけ仕事があった夫も合流し、公園をさっと済ませてランチに行く予定だった。

しかしこの場合の答えは一つである。

作るしかない。

むしろモタモタしているだけ出発は遅れ空腹は辛さを増すだけだ。説得を早々に諦めた私は折り紙にフリーハンドでハサミを入れながら、粛々と制作を開始した。

数分後、あっという間に踏切くんは完成した。細部はいろいろ違うにしろ、まあまあの出来ではないだろうか。達成感すらある。人生でこんなにも突然にして高速で切り絵をする日が来ようとは。

5歳長男は大喜びしていたのであるが、みなさん、あれ?と思われたかもしれない。

そう、肝心の遮断機がない。

もちろん私も気づいていた。遮断機はない。だがそんなことをわざわざこちらから指摘する必要があるだろうか? 出発の準備は整い、空腹は絶頂で、切り絵は完成した。5歳児が満足しているならそれで良いのである。

*・*・*

 

さて、踏切くんの課題をクリアし、無事に極寒の公園とファミレスランチを終えた。男三人には先に帰宅してもらい、私だけ食料品を買ってから遅れて帰った。

ダイニングテーブルを見ると、

踏切くんに遮断機が付いていた。

長男に命じられ、夫が作らされていたようだ。

黄色の折り紙がなくなったようで色はクリーム色だが、夫も頑張った。しかしよく見ると遮断機の付け根(?)が雑である。

もちろんそんなことを指摘するはずもなく、「パパすごいね〜よかったね!」と盛大に盛り上げておく。満足してくれ。

だが長男はじっと絵本を見ながら言った。

「この四角い部分がないよ…」

ここである

「四角いとこも作ってほしい」「あと矢印が赤く光ってチカチカしてるのは?」「遮断機も動かせるようにしたい」

呆然とする夫と私であったが、この話の結論はといえば、

人間は欲深い。

満足して喜ぶのは一瞬、足りないところがどんどん気になり欲は止まるところを知らないのだ。たとえ5歳であってもである。いわんや大人をや。

*・*・*

 

というわけで、私の今年の目標を。

「ゆっくりと味わうこと」

今持っているものを、今という時間を、ゆっくり十分に味わうこと。今持っているもので足りているのではないか?と自問すること。

昨年の11月半ばにこの目標を思いついて、衣服や本を新しく買わない(もちろん食器も)というのを続けている。その話についてはまた書きたい!

おまけ1

あれから、なぜか冷蔵庫に飾られている踏切くん。シンプルでおしゃれな家からまた一億光年ほど離れていく。

おまけ2

兄弟揃って、相変わらずの絵本狂い。何度も修理しながら、読まれ続けている『ふみきりくん』です。

2024年もたくさん読もう。

Sweet+++ tea time
ayako

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