夏の週末、都会に行った冒険の記録

夏の週末をどう過ごすか。

大人二人なら一日中家にいてもなんてことない。涼しくてきれいな部屋で読書に映画三昧…想像しただけで贅沢で優雅でしかないのだが、〇歳四歳男子とともに家に籠るとジャングルのように散らかっていく部屋で過酷な持久戦となる。

「外に…出なければ…(時が流れぬ)」

「電車、乗りたい!」

互いの切実な思いが爆発し、利害は容易に一致、どんなに暑くても出かける一択となる。

かくして我が家の夏の週末は、タクシーや電車でどこかのショッピングモールに行き、その中をひたすら散歩するスタイル。

「明日はどこ行くかなぁ…」

夫と週末のマンネリについて話していた。ローテーションでめぐる都内のショッピングモール。横浜やら吉祥寺やら、西の方にも思いつきで出かけていた身軽時代は遠く、気を抜くと豊洲とスカイツリーの反復運動になってしまう。壊れかけのオモチャである。

「たまには都会に行こう」

結論が出た。都会とは六本木のことである。六本木にはミッドタウンがあり、その前には檜町公園もある。ショッピングモールと公園の組み合わせは間違いない。同じブランコでも下町のそれとは何かが違うはず、都会の風に吹かれに行こうッ!

というわけで久々に六本木に降り立った。ミッドタウンは大江戸線の六本木駅からすぐで、気の狂うような猛暑でも動線は最高。複雑に絡まる立体図形、直線で紡ぐ現代的な建物は美しく、ああこれぞ東京…と憧れの眼差しで見上げる。

「ここで写真撮ってくれる?」

夫にカメラを渡し、動き回る四歳をなんとか説得して一枚撮ってもらった。このように恣意的に働きかけない限り、自分と子どもの写真など〇枚である。

「こんなところで写真撮るなんて、なんか田舎者って感じで恥ずかしいよ…」

自称シティボーイの夫は非難してきたが、実際のところ東京の中の田舎から来たので仕方ない。いやがおうにもテンションが上がる。

子連れでも入りやすそうなベーカリーレストランも調査済み、おしゃれ具合に失神しそうになりながら入店(赤ん坊はベビーカーで熟睡中)

天井だけで伝わる洗練よ。ちなみに四歳長男はお洒落なものを見かけたとき「おサルだねぇ」と言う。おサルは君だ…

テラス席にしてもらった。それは私がパリジェンヌだからではなく、お猿二人を連れているからである。次男は寝てるし長男も四歳でさすがにじっとしていられるが、念には念を。テラスからの眺めも開放的で最高だし、夏でも涼しい。空いている。気分はもう完全に観光客。

そんな都会のおしゃれランチをご紹介しよう。まずはキッズプレート。

そ う 、 来 ま し た か … ッ !

近所のファミレスで出されるお子様ランチとは確実に一線をかくしている。なんなら一周回って私がテキトーに出す朝食に近づいてすらいる。そう、お洒落すぎるとayakoさんの日常に戻ってくるわけだ…心地よく誤解していきたい。

茶色いものをこよなく愛する偏食の長男はトーストとクッキーを満足げに食べていた。バナナもメロンも男達は食べないので、果物は私がいただく。ありがた過ぎる。

続いて大人のランチプレート。

まあ素敵!おしゃれな食べ物は木の板に載っているという法則をビシッと決めてきた。しかし私は見逃さなかった。このプレートが運ばれてきた瞬間の、夫のしょんぼり顔を…

野 菜 と パ ン の 面 積 が 大 き す ぎ る

ありありと表情に書いてあった。

ステーキどーん、鰻どーんみたいな迫力を好む男にベーカリーカフェは向かない。

ちなみに味は言うまでもなく美味しい。カフェに併設されたベーカリーでお土産に買ったパンを翌朝食べたらこれまた最高だった。最高に美味しいものを口にしたとき、私はその味をMAXで堪能するため目を閉じるが、もう朝食の間ずっと閉じっぱなしだった。ちなみに普段はスーパーの普通なパンを半目くらいで食べている(最近ホームベーカリーでパンを焼く余裕すらない)

さて、ランチ自体は常に高速で食べて高速で去るので、ここからが散歩の本番である。行こう、都会のショッピングモール、東京ミッドタウンへ!

足を踏み入れ、美しい建物の中を歩き始める。ハリウッド映画の中から出てきたような欧米人がゆったりとショッピングを楽しんでいる。

我々はすぐに気づいた。

暇だ…

忘れていた。前回来た時も同じことを思ったのに。というか毎回思ってるのに。

そう、ミッドタウンは高級ショッピングモールである。ゆえに入っている店も庶民のラインナップではないのだ。毎回のことであるが、地下一階のディーンアンドデルーカと無印良品を偵察した後は、全くやることがなくなる。

食べ終わると、徹底して暇なのだ。

唯一の味方、ディーンアンドデルーカ

二階三階は、ほとんど美術館のような状態になる。なんかとんでもなく素敵で高級そうな椅子とか、なんかとんでもなく素敵で高級そうな服とか、現代アートの如くぽけ〜っと(外から)眺める。ショーウィンドウ越しに椅子の値段の桁数を数えてみる。迂闊に足を踏み入れられない。美術品に手を触れてはならない…

とうとう、三階に見慣れたキッチン雑貨屋を見つける。ああ!大好きな212 KITCHEN STORE!やっと入れる店が来た!歓喜して近づいた私は、あれ…?となる。親友を街で見かけたと思ったんだけど、なんか違う、よそよそしい。もしかして人違い…?

212 KITCHEN STOREはいつになくラグジュアリーな雰囲気を纏っていた。ちゃんと東京ミッドタウン版の顔をして、高級そうな食器や鍋が優雅に美しく展示されている。

人には無数の顔がある。そう、ほんの一面を知っているだけなのに、軽々しく「親友」などと呼ぶのは傲慢というもの…

最後に、檜町公園のお洒落すぎるブランコに乗った。暇すぎてやることもないのであっという間に帰宅。

そしていつもの究極真理に辿り着く。

家 is 最高

なのに週末になるといそいそと出かけてしまうのは、全くもって不思議しかない。

Sweet+++ tea time
ayako

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