「大きな本」を買う喜び

久々に自由時間を過ごした。

夫が土曜日同窓会に行ったので、私は日曜日にひとり時間をもらった(こういう過ごし方、常に四人で行動する我が家にはめったにない!)

私のコースは鉄板で、本屋をぶらぶら、好きな本を一、二冊買って、カフェでお茶して読書。これがもう最高に楽しい時間。

もちろん、大事な人たちがいて、帰ったら会えることになっている中でのひとり時間だから楽しい。そのことをしみじみ感じながら、熱々のコーヒーを飲んだり真新しい本のページをめくったりする。

今日は、大きな本(単行本)を二冊買った。普段は文庫本にすることが多いので、ちょっと贅沢。

いつもはカバーをしない派だけど、特別なかわいいカバーがあるというので、巻いてもらうことに。新刊にはこういうキャンペーンがときどきある。

青空のようなブルーの紙カバー。インクのよい香りがこちらまで漂ってきそう。選んだ二冊の本は、レジの台のうえで綺麗に包まれ輪ゴムまで巻いてもらい、二箱のお弁当箱のようになった。

両手で受け取った。まるで旅行の行きに買う駅弁みたいな、これからの空白の時間を目に見える形で受け取ったような心地。そうか、これが「大きな本」の喜び!

疲れすぎた自分をなんとかしなくちゃいけない日も、ご褒美に「大きな本」を買うことがある。写真や絵もあったり紙の手触りが楽しめたり、装丁がちょっと豪華だったりする単行本。

字がつまった文庫本は読み切れるか自信がないときでも、目にやさしい大きめの文字、散りばめられた写真や絵で、ゆっくり読んでは、とまって空想に耽り、気負わずに時間を過ごせそうな一冊。

そう、私は本を買うとき、そんな未来の時間を買っている。

*・*・*

 

アイスクリーム付きアップルパイとコーヒー二杯。買った本のページをめくり、止まっては、穏やかな噴水のようにあふれてくるものを感じる。いつかのちょっとした思い出とか、誰かの優しさとか、明日もがんばれそうだなぁという小さな予感。そういうのを余裕というのだろう。溶けるアイスクリームのように、あっという間になくなってしまうんだけどね。

ああ、やっぱり本が好き!お茶が好き!

そんな私のカバンの中には、家から持ってきたその他三冊の本が入っている。ほぼ読み終わりの文庫本一冊、半分くらい読み進めてる分厚い文庫本一冊にムック一冊。言うまでもなく重い。

もっと身軽にふらっと過ごせたらいいのだけど、心配性である。こんな日に限って本屋で読みたい本が見つからなかったらどうしよう。そう思うから荷物が多い。

本という形をした「楽しく過ごせそうな時間」が合計5冊も入ったカバンを胸に抱き、帰途に着く。

頼もしく、心躍るような、本の重み。新しい一週間もきっと何とかうまくいく。

Sweet+++ tea time
ayako

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