門前仲町の富岡八幡宮へ、深川十五夜祭に行ってきた。
といっても図書館の後にふと思い立って寄ってみた、思いつき散歩。涼しい日、ふらふらと外を歩ける奇跡を噛み締める。秋が近づいているのが泣けるほど嬉しい。
十五夜祭、いったいどんな催しなんだろう。
事前にチェックしていた江東区報だかホームページには、深川踊り、盆踊り、琵琶演奏、子ども歌舞伎などが載っていたような（私は区報をくまなくチェックしている暇人である）
神社はいつも森の中にある。抜ける風、涼しい日の富岡八幡宮は最高……！
と盛り上がってきたところで、先に結論を書いておきたい。
祭りはまだだった。
全然まだだった。これも事前にチェックした時からうっすら知っていたことではあるが、十五夜祭りは夕方から、夜が本番なのである。
図書館ついでに昼頃行った我々は、出店にすらありつけなかった（夫、絶望する）
間抜けな訪問記を書かせてほしい！
深川十五夜祭りが始まる前の富岡八幡宮を散歩した
あ、これはちょっと全然まだ始まってすらいないな……祭りの気配がゼロの静かなる参道を歩く。
だからと言って、「夜の時間に出直す」などといった貴族の選択肢が我々にあるはずもない。夜は男子たちの風呂ご飯歯磨き寝かしつけと激しい別の祭りが毎晩繰り広げられているのだ。
ここは全力で十五夜の空気を読み取っていきたい。
まずは手水社（ちょうずしゃ）
言わずもがな、神社の前の手を洗うところです。
近づくと花が敷き詰められていて、めちゃくちゃ綺麗。さらに目を凝らしてじっと見つめると……
うさぎたちがいる！お月見うさぎも！（分かりますか？）
とりあえず参拝する
祭りがやっていなくとも、神社に来れば必ずできる、参拝という素晴らしいイベント。
家族の健康と日々の安寧、世界の平和という壮大な願いを10円玉に込める私。
2歳と6歳はおみくじを引きたいと大騒ぎなので、200円の地味なおみくじをそれぞれ引く。大吉と半吉。しかし隣にあるビー玉のようなものとセットのちょっと華やかなおみくじ（300円）も引きたいと打診してくる。
「おみくじを何度も引いたら効き目がなくなるから！」「そうそう！」
私は知っている。深川不動堂の方にはさらに大量のおみくじコーナーがある。神社は意外にも子連れにとってトラップが多いのだ。
本物のお月見団子
とここで、拝殿の左手に、十五夜祭りの気配を察知する。
お月見団子！
家ではよくこの絵本を読んでいるので、ザ・お月見団子を初めて見て、子どもたちと感動する。
そして花の中をじっと見ると……
うさぎがいる！
もう、かなり満足である。
あとはステージの設営が着々と進み、
ガラス扉が開いて立派なお神輿が見えるようになっていた。
出店もちょっとずつ準備が進み、お酒類に深川飯やホットドッグ的なものなどがある模様。十五夜祭りが始まりそうな雰囲気だけを満喫する。
涼しい日の富岡八幡宮は最高だった
美しい朱色の拝殿を抜ける秋の風。それだけで幸せ。
夏は年々辛く、今年もとにかく暑すぎてしんどい日々だった。楽しいこともいっぱいあるけど、わんぱく男子2人を連れて自由に外を歩けないのはやっぱり大変。
境内は相変わらず人もまばら。ご自由にお座りくださいと書かれてある祭り用の席に座り、家族4人でぼんやり自販機のジュースや麦茶を飲むひととき。
ああ、もう十分に満たされている……私が無我無欲の境地にいたろうとした瞬間、
「このあとどうするか」
出店にありつけず絶望の中にある我が家のグルメ大臣（夫）は深刻な顔をしていた。
門前仲町。それは無数の小さな店が並びグルメに事欠かない街であるが、子連れ外食には厳しいエリアだ。広い店がない。ファミレスが（ほぼ）ない。
ほぼ、と書いたのは唯一のファミレス、ぽぽらまーまがあるから。しかし細長い路面店でもちろん混んでいる。モスバーガー、ケンタッキー、フレッシュネスバーガーもあるがいずれも狭い。
そして私は知っている。夫は寿司が食べたいのだ。
「銚子丸に行こう」（木場まで歩く気）
「だめ！ぽぽらまーまにする」
37歳と6歳の本気のジャンケン対決。2度とも6歳が勝った。グーからニョキニョキと指が出てチョキになる、見事な後出し勝利であった。
おいしかったよ。ぽぽらまーま。
（毎回戦争のようなのでいつか静かに味わいたい）
おまけ
古い観光地とか神社でよく見かける、カメヤマローソクのベンチ。可愛い。
ただそれだけである。それだけだけど、そんなことを思う散歩がとびきり楽しいのだよね。
Sweet+++ tea time
ayako
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