どんなに余裕がない日々も、手帳からトキメキを奪えはしないのだ

来年の手帳を買った。

10代20代と、手帳を新しくするのは単にワクワクするだけの行為だった。どんなファンシーなものも凝ったのも分厚いのも書くスペースがいっぱいあるものも、なんでも受け入れられた。そんな自由で未来輝く生活。

しかしここ数年、手帳選びは恐ろしくも残酷な行為とすら化している。手帳を買うとき、私は目を背けてきた現実と向き合わざるを得ない。2022年が、終わるだと……?

丁寧に暮らしたか?→NO
自分と向き合う時間を?→NO
毎日3行日記なら続くかも?→NO

手帳は、この一年の日々をあまりに如実に物語る。手元にあるのは、不完全燃焼でトキメキを失った紙束である。

10月始まり、秋の数ヶ月だけ華やいだページも冬の頃には雪のようにまっさらである。以降ずっと雪。豪雪のまま春夏が過ぎた。

毎年のことなのだ。

最初こそカラフル、毎日の楽しかったことリストをつけたり、TODOリストを消化したり、この手帳とともに一年を充実させてみせるッという意気込みに満ちているが、あっという間に「無」と化す。

手帳の大部分を占めるのは、空白のウィークリー。たまに何かのメモを走り書いているだけ。マンスリー部分に予定を書き込むのが精一杯ってもう、壁掛けカレンダーでよくないか……? 使わないウィークリー部分のせいで無意味に重いから持ち歩かないし。

いやいや、ここでリセットだ。新しい手帳に変えて、来年こそ全てを一新、感謝と興奮と驚きに満ちためくるめく日々を送るぞーッ!と無邪気な自信を胸に手帳売り場に繰り出せた頃はまだエネルギーがあった。さようなら、若さ。終わって気づく、青春時代。

余裕ゼロ、もはやロフトを隅々までチェックして最良の一冊を選ぶ時間も気力もない。

しかしそれがまもなく35歳な私の日々の現実なのだ。かわいい手帳と戯れている余裕は、今の君にはないのだッ!

この中から選ぼう。

私はいつもの本屋の片隅の、少しシーズンを過ぎて縮小された手帳コーナーにいた。ベビーカーを揺らしながら、目だけを動かして物色する。

まず、ウィークリーは不要。長いことこの踏ん切りがつかなかった。ほぼ日みたいな一日一ページだって憧れを捨てられない私が、ウィークリーを切り捨てられるわけがない。しかしもう、現実を見据えなければならない。毎週毎日、細々と何かを書き込めなくても、日々は十分濃密で楽しいではないか(長々しいブログは書いてるし)

じゃあ単純に薄い事務的マンスリー手帳でいいかといえば、NOなのだ。

 

トキメキ。

 

どんなに毎日が怒涛で手帳に向き合う時間すら取れないからといって、完全に捨てされるはずのないもの。

手帳、それはトキメキの結晶である。

小児科の予定とかネットスーパーの配達とか粗大ゴミの収集日をマンスリーに書き込むだけのノートであって良いはずがない。いざ選び始めると未練が凄まじい。

実用一択には振り切れない、しかし現実として手帳を使いこなせてはいない、そんな私にぴったりの一冊が、こうして手元にやってきた。

PAGEM minette(ペイジェム ミネット)というシリーズのマンスリータイプ。

薄くて軽い、でもそこそこちゃんとしたカバー付きなのでヘタってしまうこともない。

何より大事なことがですね、

大好きなカレルチャペック紅茶店とのコラボ手帳なのです。可愛すぎる!紅茶好きにはたまらない!

開くと、カレルチャペック紅茶店のイラストが壁紙みたいに。シールもついている。

薄くて実用的ながら、ほどよくキュートと夢が詰まっていて最高の佇まいなのだ。

ちなみに中身もマンスリーだけに完全に割り切っているわけではなく、ほどよく余白やお楽しみページが配置されていて、でも書ききれないほどではなく良い塩梅だ。

ふつうのマンスリー部分

一行日記がかけるスペース

毎月自由にかける4ページ

ちなみに巻末にも程よい量の余白メモページとお楽しみコーナーがある。

永遠に書ける勢い

行きたいところリスト

本でよかった言葉リスト

これ見て完全にお分かりかと思うんですが、

結局めちゃくちゃ張り切っている。

トキメキなしに来年の手帳を選べるだろうか?

否である。

新調した手帳に張り切らないでいられるだろうか?

もちろん否である。

また来年の秋、空白の紙束に残酷な現実を突きつけられることになっても、飽きっぽい自分の性格に嫌気がさすとしても、手帳と戯れることを諦めきれるはずがないのだ。

こうして私は今回も「忙しい大人」になりきれず、小学生女子のようにいち文房具にはちゃめちゃに心躍らせている。

至福の時間を撮った

手帳にワクワクできるうちは青春時代だと定義するならば、私の青春はまだ終わってないどころか、おばあさんになっても真っ只中なのかもしれない。

手帳の存在だけでも、覚えていたい。

Sweet+++ tea time
ayako

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