サフィール踊り子の個室でゆく初夏の伊東 / 三歳〇歳子連れ鉄道旅

伊東は、ほとんど天国である。

東京から近くて、海があって、温泉に入れて、騒がしくないけど観光地感は200%、繰り返し訪れているけど飽きることがなく、あののんびり感がほっとする。そのうえに子連れ旅にぴったりの列車がある。

数年前ならスーパービュー踊り子(丸ごとキッズスペースの車両や授乳室まであった)、今ならサフィール踊り子(個室が嬉しい)である。

▽昔乗ったスーパービュー踊り子▽

sweeteatime.hatenablog.com

もはやだいぶ昔のことになったけど、ゴールデンウィークの伊東旅行記を書いてみたい。三歳の長男に〇歳四ヶ月の次男、義父母との三代で鉄道旅を満喫した!

憧れのサフィール踊り子、六名用のグリーン個室でゆく

2020年にデビューしたばかり、念願のサフィール踊り子。のんびり写真を撮っていられぬ子連れ旅のため、これが唯一の外観写真となった(寄りすぎ)

今回は奮発して六名用のグリーン個室取った。それがとても快適だった。朝から(夫が)みどりの窓口に並んだ甲斐がある!

新しい列車のピカピカな感じ…!

スペーシアのレトロなコンパートメントも大好きだけど、こちらもテンション上がる!

長男は窓から見えた中央線に大興奮。

ラグジュアリーでおしゃれな個室

広角のカメラを持っていなかったので全貌がよくわからない写真しかない。

とりあえずソファーが革張りで、高級感があることは伝わるだろうか。

お腹のぽんぽこな三歳児が写っているが、雰囲気としてはシャーロックホームズが名推理を展開する重厚な書斎をイメージしてもらいたい。全力で読者の想像力に任せる、親切なブログである。

▽ホームページの写真見てね▽

www.jreast.co.jp

食べまくる鉄道旅

事前に注文しておいたパスタにカレー、ビールにワイン、焼き菓子コーヒージェラートまで。とりあえず食べまくる鉄道旅。車窓の風景は青々とした新緑になったと思ったら、今度は海が広がって。

ああ、なんという旅気分…!もうこの列車の中だけで旅はほとんど完結しそうな勢い(で食べている)。

登山電車で露天風呂に行ける、昭和な宿「陽気館」に泊まったよ

「陽気館」、面白い名前の旅館だった。全然特に陽気な要素はなく、静かなる昭和の宿なのだけど、なんといっても私たち子連れの重要条件を満たしてくれている。

個室またはお部屋食(絶対条件)、お部屋にもお風呂あり(赤ちゃんの入浴用に)、畳に布団スタイル(ベッドだと落ちる)、最寄り駅から車で5分以内(長男が車酔いするので)…

このありそうでない条件をすべて満たしたうえに、旅館の敷地内に登山電車まであるという!小さな電車に乗って露天風呂に行けるという!面白い!楽しい!そして長男は子鉄!

完璧である。

展望大露天風呂 伊東市外一望の絶景|伊東温泉 陽気館

窓一面の新緑は、雨に濡れて濃さを増し、しっとりと輝いていた。

一階ラウンジの、お庭に面した休憩処。鯉が泳いでいて、静かで好きな感じ。早朝の温泉に入った後、ここで座ってぼんやりしたのも最高だった。そういう瞬間が旅の醍醐味。

ちなみに登山電車は明るい時間に乗ると景色が綺麗でさらに楽しかった。

到着後、最初にいただいたお茶菓子。私はこの、旅館で食べるお茶とお菓子が大好き。出発前の空港みたいに、旅気分が盛り上がるシーンである。

夜も朝もお部屋食。

ずっと行きたいと思っていた家族旅行ができて本当によかった…!

富戸駅伊豆ぐらんぱる公園へ、想定外のハイキングをした

翌朝、チェックアウトした我々は伊豆急行に乗って二十分弱、富戸駅を目指した。

伊豆急行の普通列車旅

カラッと晴れて、朝のホームはみずみずしい空気に満ちていた。伊豆急行の普通列車は水色でかわいい。

このときの車窓が予想外に美しくて興奮した。

森の中を走っているかのように、車窓を爽やかな緑がサラサラと流れてゆく。かと思えばパッと視界が開けて、

真っ直ぐな海と地平線。淡い青の世界にうっとりする。

ずっと見ていたい景色だった。でもここに住んでいたら、この緑も青も当たり前なんだろうなぁ…旅行先ではいつも「ここに住んでいたらどんな暮らしだろう」と想像する。

富戸駅から謎のハイキング

緑の中にぽつんと置かれたジオラマのような剥き出しのホーム。牧場のような木の柵に、顔を上げれば柑橘類が小さな太陽のように光っている。

富戸駅。

ぐらんぱる公園は一般に、伊東駅や伊豆公園駅から車で向かう観光地である。しかし長男は酔いやすく、10分以上車に乗るとマーライオンと化す。故にここ、伊豆ぐらんぱる公園の「最寄り駅」までやってきたのだ。ただ、最寄りと言っても全然寄ってはいない。

富戸駅から伊豆ぐらんぱる公園まで、車で5分または徒歩28分。ここで我々は最大の過ちを犯すこととなる。

「じゃあ歩こうか」

徒歩28分=歩けるという脳内方程式が導かれたのは、我々が普段、平べったい東京下町に住んでいるからである。20分30分なら、余裕で歩く。天気も良いし旅日和だし!むしろ歩かない理由がない!

意気揚々と踏切を渡り、Googleマップを片手に徒歩の道を進み始めた。

真っ直ぐに伸びる線路。映画だ。さあ初夏の光の中をのんびりお散歩しながら向かおう…!散歩、そうこのときはそんなふうに思っていた。

完全に山登りだった。

控えめに言ってもハイキング、たまに救いのように訪れる平坦な道のときしか写真を撮る余裕がなく、伝わらないのが悔しい。勾配よ。想像を絶する上り坂がひたすら続く。Googleマップは開くたびに予想を裏切ってくる。ぐらんぱる公園までまだ全然ある。半分も進んでない。嘘でしょう?

28分という永遠。

ゼーハー息を荒くして、無言でひたすらに足を動かす。なぜこの急勾配を、重いスーツケースを引っ張りながら進んでいるのだろう。完全に伊東駅のコインロッカーに預けてくるべきだったし、その前に富戸駅からタクシーに乗るべきであった。スーツケースを引き、ベビーカーを押し、山道をゆく。

今年75歳になる、去年心臓の手術をしたばかりの義父も笑って一緒に歩いてくれて申し訳なさすぎありがたすぎ申し訳なさすぎ…

ぐらんぱる公園の看板が見えた時の安堵と喜びは忘れがたい。

数年ぶりのぐらんぱる公園

めちゃくちゃ混んでいた。

コロナで自粛続きだったここ数年。三年ぶりに外出を楽しんでいい雰囲気のゴールデンウィークを迎え、人々の期待が爆発した結果である。

ではその激混みぐらんぱる公園で何をしたかといえばですね、

長男がブランコに乗りました。

ブランコに乗って、授乳室に寄ると、我々は帰ることにした。あまりに混んでいたので。

入場料?

大人1,500円で合計6,000円でしたが何でしょう?

高級ブランコ体験であった。

「伊豆ぐらんぱる公園を満喫した!」感の写真だけ撮ってもらった。

伊東のサザンカでパンを買って、サフィール踊り子に乗って東京へ

ぐらんぱる公園から富戸駅へ向かうタクシーがなかなか来なかったりスマホを紛失したかと焦ったり様々な事件はあったものの、無事に伊東駅まで戻ってきた。ああ、慣れ親しんだ駅前風景が落ち着くッ!

サザンカ 本店 (SAZANKA) - 伊東/パン | 食べログ

伊東駅の近くにあるサザンカでパンをたくさん買い込み帰りのサフィール踊り子へ。個室でもちろん食べまくる。

お土産のかわいいタルト。

ドライフルーツやナッツが宝石みたいにぎっしりと埋め込まれていた。 次回も帰りはサザンカでパンを買いたい。

行くたびにまた寄りたいなと思う場所が増えて、伊東はやっぱり大好きな、ほとんど天国に近い場所である。

おまけ

富戸駅で見た伊豆急行の黒船電車。かっこいい!乗ってみたい!

そうである。

夏のスペーシア鬼怒川旅行記もまた書きたい。

Sweet+++ tea time
ayako

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