二年という歳月で、人はどこまで成長できるのか?

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令和になった。世の中は新時代を迎えている。

私も当然ながらものすごい勢いで飛躍したいと思っているわけであるが、そのまえに平成最後の一大ミッションについて振り返っておきたい。

義母のプレゼント選び2019

4月1日、世の中は新しい元号の発表で盛り上がっていたが、この日はお義母さんのお誕生日である。私は3月に入ってからずっとソワソワしていた。

お義母さんは身長も高くお洒落で社交的なひとだ。ホテルや素敵なレストランで食事をするとき、ビビッドな色のお洋服を上品に着こなしていて、それがまた本当に似合っている。雑誌の中に出てくるマダムである。

その息子である夫はラーメン屋に行くときと同じユニクロパーカーにもう絶体絶命と思われるボロボロの靴を履いている。お洒落は遺伝しない。

「ねえ、お義母さんの誕生日プレゼントどうする…!?」

そんな夫に相談しても、いい案が出てくるはずもない。LINEで直接「欲しいものはありますか…?」と尋ねてみると、数日後、優しいお義母さんはこんなヒントをくれた。

「プレゼントの件ですが、また、オードトワレがいいかな。前にいただいたものもとっても気に入ってます。」

オードトワレの再来である。

人は二年という歳月でどれだけ成長するのか

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このブログを長く読んでいる人は、覚えているかもしれない。

sweeteatime.hatenablog.com

2017年の誕生日プレゼント選びである。夫も私も、このとき「オードトワレ」という単語に初めて出会った。

ちなみに2018年は「レターオープナー」であった。これまた完全なる初出単語だった。手紙を開封するのに専用のナイフがあるということを初めて知った。Amazonで検索すると数百円しかしないナイフも三越に行けば高級ラインがちゃんと用意されているということも。

私は夫に伝えた。厳かな声で。

「今年のお義母さんのプレゼント、オードトワレだよ」

夫はキョトンとしていた。

「なんだっけそれ」

「ほら、一昨年シャネルのを買いに行ったじゃん!香水的なやつだよ」

「そうか、あれかぁ…!」

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人は成長する。二年という歳月は成長ののろい我々にも十分な時間である。夫は銀座三越に到着すると、自信満々でこう言った。

「見に行こうか!オートクチュール!」

「まとめて買えば得になる」

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オードトワレを何度指摘してもオートクチュールと言う夫と、くすりの福太郎で日々てきとうに化粧品を買い足している私という絶望的コンビであるが、デパートは裏切らない。

空港の免税店みたいな高級感あふれる匂いがムンムンと漂う三越のコスメフロアで、私たちは一つのブランドに吸い込まれていった。

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ジョーマローン。イギリスのブランドである。

こんなふうに書くと、あたかも私が普段から慣れ親しんでいるようであるが、もちろん初めて入った。決め手はデザインの美しさである(パッケージ命)。モノトーンで華やかで上品。私は来世まで待たなければならないが、おしゃれマダムのお義母さんには似合う。確実に。

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出典:ジョーマローン ロンドン

ホームページをご覧いただけば、その雰囲気が伝わるであろう。

お店の方に相談し、いくつかの香りを用意してもらう。爽やかなりんごの香りをベースにしたものに決めた。りんごというのがいい。なんとなく良い。幼稚園児のような感覚で選んだ。

すると夫が言った。

「もうひとつ買おうよ。二本プレゼントしよう」

私たちは最初に選んだ香りに重ねづけができるという洋梨ベースの香りを追加した。

美しいオードトワレの小瓶が二本、小箱の中に綺麗に納められた。

私は感動した。お義母さんに喜んでもらいたい、その気持ちから夫はプレゼントをもう少し豪華にしたいと考えたのだ…

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店を出ると夫は言った。

「ふつうに二倍だったね…」

「…?」

「オートクチュール、二本買ったら安くしてくれるかと思ったのに…悔しいよッ!電卓でふつうに『×2』してた…」

「当たり前じゃん」

「僕が横から『×1.8』って打ち直してやりたかったよッ」

ヘイ、兄ちゃん、二本ならちょっと安くするよッ三本ならもっとお得だよッ!そこが銀座三越のコスメフロアであろうとジョーマローンがイギリスのブランドであろうと関係ない、夫は完全に市場感覚なのである。

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ラッピングの完成を待つ夫。ベビーカーに乗っている三越の紙袋には生しらすが入っている。デパートに来たって気になるのは食糧品、三越も夫にとっては海鮮市場なのだった。

*・*・*

 

そんなこんなで今年も奮闘したが、すてきなオードトワレを二本買うことができた。終わりよければ全て良し!謎の達成感に満たされた我々であった。

さて数日後、お義母さんのお誕生日お祝いで義実家に行ったのだが、電車の中で血の気が引きましたよね。

 

プレゼントの紙袋、玄関に置き忘れてきた…

 

大幅に遅刻したうえに手ぶら。平成最後の一大ミッションはこうして幕を閉じた。二年経っても、ドジと間抜けに成長などないのである。

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飛躍の予感しかないよね(白目)

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Sweet+++ tea time
ayako

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