東京の郷土料理に「深川めし」というのがある。
私も4年前、東京下町に引っ越してきて初めて知ったんだけど、もともと漁師さんがパパッと食べるごはんだったみたい。アサリやネギなどをお味噌で煮込んだものを、ぶっかけるor炊き込んだ丼もの。
門前仲町や清澄白河にも深川めしの名店はたくさんあるけれど、私がダントツで好きなのは「みや古」!
大正13年創業の「みや古」は建物の佇まいも素敵
清澄白河と森下の間くらいにある、深川めしの老舗、みや古。
久しぶりに行ってきました。千葉に住む母を連れて。
テレビ取材も基本お断りという、静かな名店(でも親しみやすくてリーズナブル!)。味はもちろん、歴史を感じる美しい佇まいが大好きで。
3月の終わり、ソメイヨシノはもう葉桜になってたけど、みや古の軒先のしだれ桜はちょうど満開。
ほんとに綿菓子みたいな淡いピンク色がかわいい。嬉しくて、珍しく縦写真も撮ってしまった。
木造の、趣のある玄関がまるで旅館みたいで素敵。近所で食べるお昼ごはんなのに、ちょっと遠出した気分になれる。和室大好き、レトロ大好きな私にはたまらない…!
下駄箱に靴を預けてお座敷に上がる。そこもやっぱり旅館っぽい。
平日、お昼時を少し外して来たので幸運なことにゆったり座れた。
筆で書いた手作りのメニュー札。窓際にちょこんと座っている魚の置物。歴史を感じる建物に古いお座敷だけど、店員さんはテキパキと動いていて、今も現在進行形で続いているお店の活気は爽やかで心地よい。
窓の向こうを覗き込むと、玄関のしだれ桜がここからちょうど見えて嬉しかった。もう春だ。
みや古のランチ「深川めしセット」は絶品でした
やっぱり今回も「深川めしセット」にしちゃいました。1,500円で、ほかほかの炊き込み御飯と彩りきれいなおかずたちがお盆に並んでやってくる。
蓋を開けると、海の香りが漂いそうなアサリの炊き込み御飯。今日の一品料理はブリ大根でした。
「深川めし」、やっぱりこの炊き込みタイプが一番好き。味がしみてめちゃくちゃ美味しい。
それにしても漁師さんのお家ごはんが深川の郷土料理なんて不思議である。だって隅田川は身近だけど、海はない。
でも江東区には「海辺」という住所があったりして、きっと昔は本当に「海辺」だったんだろうなぁ。どんな地形で、どんな街並みで、どんな人が暮らしてたのか。漁師さんの街だったんだろうか。今住んでる場所の昔というのは、考えるだけで楽しい。
満腹でお店を出て、見上げたら、しだれ桜が水色の空に揺れていた。母も喜んでくれて嬉しい金曜日だった。
葉桜の下を歩いて帰ったよ
二日前には満開だった桜の木。
あっという間に葉桜になっちゃったけど、ピンクとグリーンの組み合わせもまたかわいい。
淡いピンク色が敷き詰められた足元もかわいい。
淡いピンクと濃いピンク。
春は下を見ても上を見てもとにかくかわいい!(三回目)
美味しい深川めしと葉桜の景色を満喫して、忘れられない春の一日になったなぁ。
おまけ
足元に、うさぎさん。
遠くにでかけなくても、ご近所をカメラ片手に歩くだけで楽しい発見が無数にあるよね。
花と団子、どっちも大好きです。
Sweet+++ tea time
ayako
密かなおすすめ
猫沢エミさんの『東京下町時間』、もう絶版になっちゃったようですが古本で買えます。大好きな一冊です。
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