読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Sweet+++ tea time

Enjoy your life and journey!

Life&Journey

Welcome to my diary!

「ワンコイン」のスカートをはいたOL

暮らしのWEBエッセイ《小さな幸せ》

f:id:sweeteatime:20170222212412j:plain

安いものを買ったときも高いものを買ったときも、人に言いたくなる。無性に誰かに報告したくなる。

これが女心というものだろう(と私は勝手に思っている)

「あ、そのバッグ可愛いね」と友人に言われたとき、

「聞いて〜!実はこれ500円なの!」と答えるのと「聞いて〜!実はこれ10万したの!」と答えるのは、後者の方が嫌なやつに見えるかもしれないがそんなことはない。

根底にあるのは、同じように自慢したい無邪気な気持ちである。

f:id:sweeteatime:20170222211329j:plain

「掘り出し物を見つけちゃったんですよ!私!」というのも報告したいし、「ちょっと奮発しちゃったんですよ!私!」というのも言いたい。それが女心というものである。

ちなみに、私は前者はよくあるが後者はほとんど経験がない。(ちょっと寂しい)

*・*・*

 

さて、OL時代の話である。

私は会社を辞めるために、常に退職後に備えて貯金をしていた。だから会社で着るコンサバOL服のためにお金はかけたくない。古着屋さんでちょうど良さそうなものを見繕ってくるのが習慣であった。

f:id:sweeteatime:20170222211837j:plain

ある日、ときどき覗く古着屋さんでセールがあった。大収穫であった!ものすごく可愛い花柄のスカートを破格で手に入れたのだ。

翌日、私はそのことを誰かに語りたくてたまらなかった。チームには女性社員がいなかったため、昼休み、一番話しやすい男性の同僚Sさんのもとへ。

「Sさん、聞いてくださいよ、私、昨日、古着屋さんですんごい掘り出し物みつけちゃったんですよ!」

「え、そうなの?」

まあ、勘の良い読者の皆さんはお気づきだと思うのですが、男性社員のSさんはこの話にそんなに興味がない。そんなにというか、全然ない。それを隠して精一杯のリアクションを取ってくれている。正直、チームの女が安い服をいくら買おうとどうでもいいはずである。が、優しい人なのだ。

「いつも行ってる古着屋さんがさらにセールになってたんですよ、それで…」

私は得意げに、自分がいかに可愛い花柄のスカートをいかに安く手に入れたかを滔々と語って席に戻った。

実に迷惑な同僚である。

*・*・*

 

さて数日後の月曜日、私はふんふん言いながら新しいスカートを着て会社に行った。

「花柄のスカート、素敵だねぇ」

チームのおじさんがさっそく褒めてくれた。(私が勤めていたのは昭和な会社であった)

「ありがとうございます〜」

「春だもんねぇ」

上司もみんなニコニコしていた。

f:id:sweeteatime:20170222212532j:plain

すっかり満足した私は、席に着く前に、先だって自慢話を聞かせた男性社員のSさんに小声で言った。

「これこれ、こないだ話したやつなんですよ…!」

すると彼は異常に大きな声で言い放った。

「ああ、ワンコインで買ったスカートかぁ!」

チーム全員がギョッとしてこちらを見た。私は丸顔を赤くした。これほど恥ずかしいことはない。

「ちょっと、なんでそんな大きな声で言うんですか…!」

私が赤い顔でSさんをたしなめたことは言うまでもない。

掘り出し物報告をする相手は、慎重に選ばなければならない。話を聞いてくれる優しさのみならず、デリカシーも持ち合わせている人がよろしい。私は学んだ。

かくして、異常に安いスカートを買ったことを月曜の朝からチーム全体に知らしめて、仕事はスタートした。

しかしである。

何食わぬ顔でPCに向かいながら、私はにやりと笑っていた。

「ワンコイン」に衝撃を受けていたチームの男性皆さんも、まさかそのワンコインが、500円ではなく100円の方であるとは思わなかったに違いない。

f:id:sweeteatime:20170222205621j:plain

緑くん、都市伝説みたいに言わないでおくれ。

恥ずかしいと同時に、どこか得意げな気持ちも湧いてくる「ワンコイン」スカート。

女心とお買い物は実に複雑なものである。

f:id:sweeteatime:20161011113545j:plain:w220

Sweet+++ tea time
ayako