100円玉集めに奮闘する日々

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近所のコインランドリーをよく使う。

重い洗濯物をバスケットにぎっしり詰めてランドリーまで辿り着く。コインランドリーには100円玉が三枚必要なんだけど、こういうときに限って一枚もない。あるいは足りない。とにかく不思議なほどにない。

このコインランドリーには両替機がなく、50円玉も500円玉もダメ、使えるのは100円玉オンリーである。

こりゃダメだ。

洗濯物をひとまず乾燥機に入れてから、コンビニで何か買ってお金を崩さなきゃなぁ。

*・*・*

 

コンビニで、愛用している無印良品のボールペンを買ってお金を崩す。しかし何度もそんなことをやっていたらボールペンのストックも4本になった。手は左右ひとつずつだし、だからといって両手で文字を書く予定はない。需要がまったく供給に追いつかない。

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しょうがないなぁ。

次からコンビニで鉄分飲むヨーグルトを買うようになった。常飲しているものである。しかしそれも何度か繰り返していたらストックが増えすぎた。口はひとつしかないし、一日に何本も飲む予定はない。需要がまったく供給に追いつかない。

しょうがないなぁ。

私はとうとう100円玉目的でドラッグストアへ進出した。でも歯磨き粉もそうそう無くならない。今のところ歯はたくさんあるけれど、一日に2回以上磨くけれど、かといってモップサイズの歯ブラシを使う予定はない。需要がまったく供給に追いつかない。

*・*・*

 

そんなこんなで、あるとき私はパン屋に進出した。カレーパンが有名なお店である。

案の定、この日も私のお財布の中に100円玉は一枚も入っていなかった。したがって100円玉は三枚必要である。

180円のカレーパンをひとつトレーに乗せた。そのとき、私の頭のなかには優しき夫の顔が浮かんだ。夫もここのカレーパンが大好きである。

カレーパンをひとつだけ買って食べてしまい、夫が帰る前に証拠隠滅することは可能だ。カレーパンの独り占めである。しかし、SEとして日々働くしろくま夫にも、カレーパンを買っておいてあげたい。それが優しき妻のつとめというもの。

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トング片手に以上のようなことを考え、私は微笑みを浮かべつつトレーの上に二つのカレーパンを載せたんですね。

お店の人はテキパキとカレーパンを包んでくれた。ビニール袋の上からも、ほくほくと揚げたてのカレーパンのぬくもりが伝わってくる。これはもう、幸せの温度だなぁ!

私はカレーパンが二つ入ったビニール袋をぶら下げて、幸福気分でコインランドリーへと戻った。東京下町の、平和な春の昼下がりであった。

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*・*・*

 

さて、濡れたままの洗濯物が入った乾燥機の前で、財布を開けた私は震えていた。

100円玉が 一枚しか ない!

当たり前である。

1,000ー(180×2)=640

180円のカレーパン二つを購入して1000円札を出した場合のお釣りは640円。小学生でもできる計算である。

したがって、私がこの買い物によって得た小銭は、500円玉一枚、100円玉一枚、10円玉四枚。

あと二枚。あと二枚の100円玉よ…

いったい何のためにパン屋へ行ったのか。なぜカレーパン一つでやめておかなかったのか。己の間抜けさを呪い、さらにどこで小銭を崩すべきかと頭を抱えている間抜けな女。それが私。

*・*・*

 

さて、こんな「成功しない人がやっているたった一つのこと」みたいな間抜け極まりない日々を送っている私であるが、とうとう頭を使った。

100円玉のストック作りである。

もっと早くに思いつくべきだろうと賢い読者の皆さんは思っているかもしれないが、私にとっては大きな進歩である。

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東京のクラシックホテル「山の上ホテル」で手に入れた美しい缶。

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もともとはアクセサリーをしまっていたが、この缶に100円玉をためることにした。おしゃれ感は皆無だが、今やそんなことにかまってられない。

お財布にある100円玉はここに入れておく。コインランドリーに行く前に、玄関に置いたこの缶から100円玉3枚を持っていけばよい。

素晴らしい!

成長、成長ですよ。私は得意げに100円玉を入れた。どんどん貯めた。お店で買い物をするときも、常に100円玉を意識し、喜んで缶にしまう日々。

ひとつ不思議なことがあるとすれば。

この缶を玄関に置くようになってから、コインランドリーに行く私の財布には、常に100円玉が入っているのである。それも3枚以上。不思議なほどにたっぷりある。

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そうである。

食いしん坊の夫がカレーパンを喜んでくれたことだけが、救いだよね。

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Sweet+++ tea time
ayako

 

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