きっと忘れないだろうなと思う幸福な瞬間というのがある。
不思議なのは、それがかけたお金に比例して増えるわけでもなさそうだってこと。
大奮発して出かけた旅行やとびきり高級な店でのディナーはもちろん思い出になるけれど、なぜか何でもない一日に、忘れられない瞬間や景色が潜んでいたりする。
引いてみるまでわからないくじ引きのような毎日の、とびきり「当たり」だった初夏の午後に見たものたち。
川沿いのカフェと小さな神社と大好きな花の咲く道。写真いっぱいで綴る東京下町お散歩日記です。
大好きな両国のカフェ英水庵でお茶をしたよ
美味しいラーメンを食べたあと、今度は冷たいアイスコーヒーが飲みたくなってやってきた。
両国の小さなカフェ「映水庵」。前にも紹介したことがあるけれど、川沿いに佇む居心地のいいお店。キーマカレーとチーズケーキが美味しい。
クラフト紙をクリップで挟んだだけのメニュー表が、おしゃれだ…
「無造作ヘア」と似てる。気合を入れすぎない抜け感というおしゃれ。上級者の技。私の場合、完全無欠の「寝癖」となってしまうやつである。
センスの塊みたいな雑誌「& Premium」を眺めていたら、チーズケーキとアイスミルクティーのセットがやってきた。
ラーメン屋さんのPOPEYEと同様、この瞬間、超絶おしゃれ雑誌を脇に置いて即座にフォークを握る私である。
映水庵の前の風景が好き
映水庵は川沿いにあるカフェなんだけど、その「川」というのが正直まったく優雅じゃなく。
いつも何か工事してたり対岸に無機質なものが置かれていてワチャワチャしている。その現実っぽさがまたいい。
映水庵の手前には、やたらと花が咲き乱れている一角がある。
私はここが大好きなんだなぁ。
いつ来てもカラフルで幸せになれる場所なのに、紫陽花の季節はもう最高だった。
いろんな色があるって、なんて救われるんだろう。元気が出るんだろう。やっぱり私はモノトーンよりカラフルな世界が好きだ…
あふれる色の刺繍をしたいし、まぶしい色の服を着て歩きたい。大好きなカメラ片手に、そんなことを改めて思ってしまった。
ランタナを撮っていたら
「その花、なんていうか知ってる?」
熱心に写真を撮っていたらおばあさんに話しかけられた(知らない人に声かけられる率、道端で突然お菓子を売られる率が異常に高い私である)
答えていいかドキドキしつつの、「ランタナ」
「まあ、よく知ってるわねぇ!」
感嘆すると、この花可愛いわよね、色が最高にいいわよね、あなたの赤ちゃんいつ生まれるの?私はついこの間ひ孫が生まれてねという話まで、おばあさんは上機嫌で語る語る。ひ孫、めちゃくちゃ柔らかいらしい。
江島杉山神社の岩屋に入ってみたよ
私が写真撮影に没頭したりおばあさんと会話している間、夫はスーパーの冷房を満喫してガツンとみかんを二箱買い、背後霊のように佇んでいた。
もう帰りたいのである。
最後にこの「江島杉山神社」だけ寄って行こうと説得する。前にホームページを調べたところ、この建物と建物の間にひっそりと現れる鳥居の向こう、岩屋まであるらしい。気になる…!
奥へと進むともうひとつ鳥居が現れる。神社の涼しくて清らかな雰囲気、たまらないねぇ。
アイスが溶けちゃうので、今日はお参りは省略で、気になる岩屋を目指して進む。
写真を撮るのは遠慮したけれど、小さな岩屋には神様の像が二体あった(この表現があっているかどうか自信がないけれど…!)
ひんやりとした岩屋の中から覗いた初夏の景色。まぶしかったなぁ。
家から徒歩数十分の神社だって、岩屋の中に入ればもう完璧な旅行気分に浸れてしまう、安い、もといエコな人間なのである。
タチアオイがまっすぐに伸びる夏だね
私の一番好きな季節が、もう目の前なんだ。
何もかも上手くいかないうんざりな一日があれば、近所を歩いただけで忘れられない景色に何度も出会える幸運な日もある。
いろいろあってもめげずに、まっすぐな気持ちで進めたらいいなぁ。
「当たり」は忘れた頃に引いちゃうものなのだから。
Sweet+++ tea time
ayako
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