信州国際音楽村でラベンダー畑も見た。美味しいランチも食べたし、ソフトクリームまで味わった。
夏はまっさかりで、旅は二日目の午後に入った。
この切なさ、きっと読者の皆さんならわかってくれるだろう。
カメラのデータと反比例するように、旅の残り時間は少なくなっていく。楽しい思い出がいっぱいなほど、旅の終わりはちょっと寂しくもなる。
だが、
今日も元気にすれ違っている私たちなのであった。
バラ園にも寄ってみよう
信州国際音楽村にはバラ園もある。季節的に何も咲いてないんだろうなぁ〜と思ったけれど、そのまま帰っちゃうにはあまりに名残惜しく。
もう少しこの空間を味わいたくて、寄り道することにしたのだ。
バラ園に向かってるつもりで歩いていたら、何やら建物が。
あまりにテキトウな絵に度肝を抜かれたかもしれないが、読者の皆さん、私の画力を甘くみてはいけない。
なんとなく音楽らしきものが聞こえてきた。そういえばここは「音楽村」なのだ。まだラッパのオブジェしか見てないけど、何かイベントをやっているのだろうか?
冷房のきいた建物の中へ入ってみる。
おそるおそるコンサートホールを覗いてみると、
かわいい。
どうやらピアノの発表会らしく、おめかしした子どもたちと先生方、それに家族の皆さんが集まっていた。まだリハーサル中のようだ。
なんとなく座ってみた。
知らない人たちのピアノの発表会に、謎に紛れ込んだ観光客2名。
涼しくて、オルゴールみたいな音楽もかわいくて、妙に心和んでしまった。
名演奏を聞かせてくれた皆さん、ありがとうございました。ウフフ…
バラ園に行こうよ
そうである。
寄り道の寄り道をしている場合ではなかった。
冷房に後ろ髪引かれる思いでコンサートホールを後にすると、私たちはまたバラ園を目指して歩き出した。
ちょっと馬鹿にしてるの!? なんて心を荒くしてはいけない。
かなり間抜け指数の高い犬が、健気に研修センターへと案内をしてくれている。信州国際音楽村のにくい演出である。
研修センターとバラ園が同じ方向なのかイマイチ自信はなかったが、とりあえず歩き続ける。
なんども暑い暑いと書くのは非常に芸がないと思うのであるが、それにしても暑い。だらだらと汗をかきつつ、バラが咲いている可能性が限りなく低い7月のバラ園を目指す我々である。
突然「音楽村」のオーラを全面に出してきた謎の楽器的なもの。こんなに雨ざらしな場所にあって良いのだろうか。とりあえず音を鳴らしてみる夫。
さらに歩くと、大変興味深い立て看板が現れた。
この案内の混乱ぶりは素晴らしい。
左を差して「バラ園」、右を差して「バラ園 近道」である。
この看板を前に左へ進む人は、よっぽど涼しくてよっぽど景色を味わいたい人かよっぽど暇な人か単なるひねくれ坊やであろう。
暑いし暑すぎるし暇だけどひねくれ坊やではない私たちは、右の近道を選んだ。
バラ園に着きました
清々しいほどのグリーン!そして青い空!
花は咲いていませんでした
花の色がどこにも見当たらない、広大な丘が広がっていた。
だが目を凝らせば、枯れかけたバラがちらほらと。そしてさらに目を凝らせば、たった一輪、美しく咲いている薔薇があるではないか。
きれいだなぁ。
この一輪が、遅咲きで待ってくれていたかと思うと、なんだかすごく感慨深い。咲き乱れている満開のバラ園では味わえない、感謝の気持ちである。(そう、私はいつもポジティブである)
今度は淡い感じで撮ってみた。
ありがとう。汗だくの私たちを迎えてくれて、ありがとう。こうしてayakoさんの長野旅行記に文字通り花を添えてくれて、ありがとう。
この際「咲いている」というだけで、すべてが有り難く感じられる。
道端で揺れていた雑草的なお花も、喜んで何枚も撮っちゃうのである。
こうして私たちは大満足の信州国際音楽村を後にし、大屋駅から上田へと向かったのであった。
上田駅で、さらなるプランあり
そう、旅はまだ終わらない!新幹線に乗るまでの間、私たちは上田駅でもうひとつ行きたいところがあったのだ。
【ヒント】
まあ、読者の皆さんには完全にお見通しの展開となるであろうが、とりあえず長くなったので続きは次の第6話で。
今回が最終回のつもりであったが、まだお土産の話もしたいのでもう一話書くこととした。そう、間違えないでいただきたいのだが、これはayakoさんの計画性の無さではなく、さらにもう一話分皆さんを楽しませたいというホスピタリティのあらわれである。
う、うう!耳が痛いぞ…
今度こそほんとに最終話…!
▽長野旅行記第6話へ続く▽
旅の面白さを決めるのは、距離と時間だけじゃないよね【長野旅行記第6話】 - Sweet+++ tea time
▽他にも書いてます▽
Sweet+++ tea time
ayako