早朝、まだうす暗い時間帯の成田空港である。
夜明け間もない空港の
薄暗闇に点る明かりが
これから始まる旅路を照らす
旅のドキドキ感が、胸の高まりが、伝わるだろうか?
まさかベトナム・ニャチャン旅行記が、出発の成田空港の景色から始まるとは。
勘のいい方であればすぐに気付くであろう。
世界史の勉強を意気込んで始めた高校生が、アウストラロピテクスやクロマニョン人にひたすら詳しく、古代史の専門家となることがある。
英単語の勉強を意気込んで始めた受験生が、「a」から始まる単語のエキスパートとなることがある。
意志の弱い若輩者に、往々にして見られる例の現象である。
最初だけやたら詳しく途中で連載が断たれることの多い私の旅行記だが、このベトナム・ニャチャン編で、私の意志の強さを証明したいと思っている(←誰に?)
掃除が行き届いているはずの成田国際空港だが、意外にゴミが落ちていた。
空き缶が転がっていたり。
どんなサイズの空き缶が転がっていたのか、分かりやすい写真を追加しよう。
右側に立っているのが、私の夫である。
私がかなり小柄な男性と結婚したわけではない。
身長181cmの夫よりも背の高い、とってもアートなコカコーラの空き缶なのである。
空港は、アートがいっぱい。
マクドナルドの広告も、ポップで楽しい。
広いし天井も高いし、美術館をフラフラしているような気持ちになる。
ベトナムのドンに両替したり、wifiを借りたり。パスポートを出して航空券をもらったり。ひとつひとつの手続きや何やら事務的なことですらも、ドキドキで満ちている。
この空気感!
週末を迎える前の金曜日の夜が一番楽しく、夏休みを目の前に始業式から家に帰る瞬間が一番ワクワクする。
美味しいつけ麺がカウンターに出されてお箸を割った瞬間がこのうえなく食欲を刺激する。
この「楽しいことは始まる直前が一番楽しい法則」(←そのまま)に基づけば、ガイドブックを眺めて旅行を予約してスーツケースに荷物を詰めて、とうとう旅発つ瞬間の空港が、旅のクライマックスともいえる。
なんと、ここで恐ろしい報告をしなければならない。
ベトナムに飛び立つ前の成田空港の話だけで、ベトナム・ニャチャン旅行記の第一話を終えようとしているのである。
みどり君の的を射た批評に負けず・・・
▽ベトナム・ニャチャン旅行記2へ続く▽
Sweet+++ tea time
ayako