「風水」でも「断捨離」でもないキッチン。結婚生活の愛しき現実

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「風水」のひとにも「断捨離」のひとに叱られそうなキッチンである。

可愛い小物が大好き、部屋を飾るのが大好きなのだ。

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 もとより私はシンプル主義ではなく(だったら刺繍アクセサリーなんて作っていないだろう)、自分が思う「可愛い!」の基準で部屋を整えるのが大好き。


超!おんぼろの古い狭い社宅でひとり暮らしをしていた頃も、お部屋の中は大好きな小物を上手に飾って、それはそれは可愛くしていた。

そんなひとり暮らしの部屋に友達を招くと。

「写真を撮らせてほしい!」「雑誌の中のお部屋みたい!」みんな口々に感嘆の言葉を発し(←できた友人である)、あまりにも褒められて調子に乗った私は・・・

友達が帰った後、即座にインテリアコーディネーターの資料を取り寄せたほどである。

そんな一年半のひとり暮らしを終え、結婚し、二人暮らしが始まり、私は夫の連れてきた小物や家具(←とりあえず黒い)とミックスで部屋を飾るという新たな試練と向き合うこととなった。

一部屋に夫の黒い家具や電化製品を集め、リビングは私の「可愛いワールド」全開!にすることにほぼ成功した私。


今のふたり暮らしの家に、友達が遊びに来ると。

「可愛いお部屋~!」という第一声を発してお部屋を見渡し、その後、誰もが無言で視線を留めるアイテムがある。

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「え、これなに?」

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この変な置物は、もちろん夫が持ってきた。

私は、この奇妙な生き物を「緑君」とかなり安易に命名した。

「完璧に可愛い部屋」を目指す私は、緑君をこっそりとリビングから追放するのだが、その数時間後には、必ずひっそりと定位置に戻っているという、ホラーな存在である。

夫曰く、緑君は立派な「可愛いもの」グループなのだからリビングに置いてほしいと。

一度私が間違って(←故意にではない)緑君をキッチンから落としてしまい、頭の上の双葉が欠けたことがあったが、それすらも処分のきっかけとはならず、アクセサリー制作に用いている強力な接着剤で修理を施し、今なお現役で我が家のインテリア担当をになっている。


普段雑貨など滅多に買わない夫が、ビレッジバンガードで見つけた「可愛い」置物、緑君。

何も説明せずとも、家に遊びに来た誰もが私の持ち物ではないと気づく、その異色を存分に発揮する、緑君。

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完璧主義を戒め、結婚生活の現実を教えてくれる、愛おしき存在なのだ。