この夏知ったことがある。
エアコンをつけたり消したりするよりも、ずっとつけっぱなしにしておいたほうが電気代が安くなるらしい。
「ほらね、前に僕が言った通りでしょ」
夫は得意げであった。
「ほほう…」
しかし本当なんだろうか? ずっと稼働し続けるなんて、エアコンは大変なんじゃないだろうか? 正直、ちょっとピンとこなかったのである。
話は変わるようであるが、私は今のアクセサリーショップを始める前、ネイリストに憧れて半年ほどネイルスクールに通っていた。貯金を費やして恵比寿と渋谷の学校にせっせと通い、道具を買い揃え、練習し、暇さえあればネイルデザインの本を読んでいた。
しかし私は飽きっぽい人間である。
同時並行でやっていたアクセサリーショップの方が楽しくなってきたので、半年後、ネイルスクールをやめることにした。
「学費も払っちゃったけど、もう辞めることにしたよ」
「うそ。ayakoさん、うそでしょ…」
試験前は練習台にされ、その深爪に真っ赤なマニキュアまで塗られていた夫が、恐怖に震えていた。(ごめん、夫よ…)
「せっかく道具は揃ってるんだし、趣味で続けたらいいじゃない?」
まわりの人はそう言ってくれた。
しかしである。私は「もうやめた!」と思ったら、その瞬間から一切やらない人なのである。やらないというか、やれない。ほどよく続けるということができないようなのだ。
ネイルスクールをやめて以来、普段もまったくマニキュアを塗らないのはもちろんのこと、夏だってペディキュアすら塗らずに過ごしている。ジェルの道具もすべて後輩に譲ったりして処分してしまった。
丸く切った何も塗らない爪を見て、私は思ったのである。「"毎日塗る"と"毎日塗らない"、その二択しかないなんて…」
こんな調子で、私には常に0か100しかないのである。
学生時代は夢中だった外国語も、今では完全に興味を失ってしまった。英語中国語ロシア語スペイン語とあれだけ熱心にやっていたというのに。今では日本語専門である。(「今治タオル」を「いまじタオル」と読んでいたことに先日気づいたのは秘密である)
そういえば、ある月は毎日のように通っていたスポーツジムも、今では一日も行かなくなった。毎日じゃなくても一週間に一回通えばいいのに。むしろそれくらいでちょうどいいのに。あのスポーツウェア一式はどうなったのだ!?
そういうわけで、私には「毎日やる」と「毎日やらない」の二択しかないようなのだ。
実はこのブログを書くのには毎回多大なる時間がかかっていて、「毎日は大変だから二日に一回にしたいなぁ」と思っていた。しかしそう思って一日休むと、何日も書かないで過ごしている。再開するハードルがどんどん上がる。
「毎日書く」と「毎日書かない」の二択しかない、実に単機能のロボット、それが私なのである…
そんなことを思いつつ、築30年になるマンションの旧式エアコンを眺めていたら「嗚呼っ!」と一瞬で仲間意識が芽生えてしまった。
「そうかそうか、おまえもなんだね…」
一度ストップすると、また始めるときのエネルギーが半端ないんだよね、うんうん、わかるよ。電気代もかさむわけだよね。
というわけで、私もつけっぱなしで行きたいと思います。
ブログの更新を誰よりも待ち望んでいる緑くんであった。
Sweet+++ tea time
ayako
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