一年越しで楽しみにしていた夏休み旅行は、いよいよ目の前に迫っていた。
目的地は、タイの田舎町、カオラック。私も夫もめちゃくちゃウキウキしていたことは言うまでもない。
「ayakoさん、タイ旅行いよいよだね」
「楽しみだねぇ!」
プーケットから車で2時間ほどの静かなリゾート地である。
しかし事件は起きた
旅行前々日の朝、寝ぼけ眼の私に、夫は半泣きでこう言ってきたのである。
「ayakoさんどうしよう!タイの入国にはパスポートの残存期限が6ヶ月以上必要らしい…」
「6ヶ月以上ないの?」
「ない…」
どうやら夫のパスポートは残り5ヶ月ちょっとで期限が切れるらしい。惜しい。実に惜しい。(もっと余裕を持って更新しておきましょう)
夫は無事にタイ入国できるのか!?
猫さんによる突然の豆知識講座である。これは噂でもなんでもなく、タイ国政府官公庁のホームページやガイドブックにも明記されてる事実なのだ。
パスポートについて タイ入国後30日(29泊30日)以内の観光目的の滞在の場合(中略)、日本国籍であればビザなしで入国することができますが、国際規定によりパスポートの残存期間は6ヶ月以上と定められています。
「どうするの?」
「どうしようもないんだ…今さらパスポートを作っても間に合わないしキャンセル料も返ってこない…
もう行ってみるしかないッ!」
「・・・」
ネットで検索しまくると、6ヶ月切ってたけどなんとか入国できたというエピソードも見つけた。運である。
もし夫が入国できなかったら、また拙い英語で帰国の手続きしなきゃいけないのかなとか、もう私ひとりでリゾート満喫しちゃうかなとか、いろいろ考えた。緊張のなか、出発の日を迎える。
4時起きで、早朝の成田空港に向かったよ
お気に入りの赤いスーツケースに、ド派手なマトリョーシカの布バッグ(ロシア人のお友達にプレゼントしてもらったもの)。
入国できるかわからない謎の緊張感の中、私たちは着々と手続きを進める。
空港パニックの理由
「ayakoさん、予約しておいたWi-Fiの受け取りに行ってくるよ」
「ありがとう」
夫はいつも海外Wi-Fiレンタルの手続きをしてくれる。頼もしいなぁ…と見送ったこの数十分後、並んでいたWi-Fiの受け取り場所が違ったらしくパニックになって戻って来た。
「どうしようッ!あんなに並んだのに違う階だって言われたッ!」
「・・・」
泣きそうである。しかし飛行機の時刻まで時間は余裕たっぷりなのに、この焦り方は異常である。私は知っている、彼は「空港のレストランを物色してごはんを食べる時間」が減るのを恐れているのだと…
真の目的は無事に果たされた
空港の食堂的レストランで、晴れて食べ物にありつく夫。正統派レトルトカレーの味に満面の笑みで舌鼓を打っている。(本当はつけ麺かラーメンが食べたかったが、朝早くて開店前だったのである)
私は大好きなサンドイッチを。
いつもいろんな味の紅茶を飲んでいるけど、こうやって紙コップにさっとお湯を注いだだけのリプトンティーバッグも、なんだかすごく美味しいんだもんなぁ。
空港で食べるごはんは格別なのだ。
エアアジアに乗ってまずはバンコクへ
こんな我々であるから、飛行機に乗った夫の最初の一言が「もしかしてLCCは機内食がないのかもしれない…」であることも想像に難くにないであろう。
実際エアアジアには機内食がサービスに含まれていないらしく、夫の強い希望により、両替したばかりのタイバーツで購入した。
夫はタイ風のカップヌードル。私はフライドライスwithオムレツ。美味しかったな。
ドンムアン空港からプーケット空港へ
心配していたバンコクでの乗り継ぎは簡単だった。ああ、空港の風景って、なんでこんなにワクワクするんだろう!
「ayakoさん、コーヒーでも飲もう!」
「そうしよう!」
私はコーヒーが飲めないので、紅茶を。TWININGSのレモンティー。ティーバッグのラベルがちょこんと出ているのは可愛い。
この次、プーケット空港へと向かう飛行機で、いよいよタイ入国である。
緊張の入国審査が待っていた
飛行機の着陸時刻に近づくにつれ、お互い無言に。
「・・・」
「・・・」
夫は「考えても仕方ないさ」と楽観を装っていたが、入国審査のスタンプが押されるまで、顔がめちゃくちゃこわばっていたのを私は知っている。
さて、結果はというと・・・
入国、できました。あっさり、できました。
細かい人じゃなくて、本当によかった…(そういう問題なのか)
「ayakoさん、入国できたよッ!」
「やったねぇ…!」
ここからホテルまでさらに2時間…
事前にメールで予約しておいた送迎車がなかなか見つからずまたホテルに電話したり人に聞いたり…ようやく乗った車でプーケットからカオラックまでさらに2時間!
グーグルマップでは一直線の単調な道に見えるのだが、途中にグネグネ曲がる山道があったという最大の誤算。完全に車酔いした私は、這々の態でホテルにたどり着いた。
朝4時に起きて5時前に出発し、ホテルに着いたのは夜の22時(タイ時間では20時)。まさに一日中移動の旅であった。
ホテルの部屋で楽しげなポーズをとっている私の心中は…
「なんでこんな遠くまで来ちゃったんだろ…タイ自体来たことなかったんだし、バンコクでよかったんじゃ…ていうかもう沖縄最高だよね…?」
そうである。
もはや国内旅行ラブである。
このあとカオラック二日目はナントン街歩きにでかけます!
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Sweet+++ tea time
ayako
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