子どもが産まれると、価値観が変わるらしい。
出産前、私は恐れていた。自分はどうなってしまうのだろう。もうおしゃれはできないのかもしれない。カフェ巡り、朝食、写真に刺繍、大好きなモノたちはどうなるんだろう。時間がなくなって、子ども一番になって、いろんなことに興味がなくなったりするんだろうか。自分が自分でなくなってしまうのだろうか…
さて、王子誕生から10ヶ月弱が経過した今、ようやく私にも訪れたのである。180度の、天地を翻すような凄まじい価値観の変化が。
ただし想像とはだいぶ違った。先のことを勝手に心配していた臨月の私を笑いたい。そう、現実は常に予想を超えてくるのだから…
端的に言おう。
バナナへのリスペクトが止まらない
バナナ。それは長年、私の中でれっきとした下層フルーツであった。
歴然とした順位付けがなされてしまう、恐ろしい世界。それが果物界。
メロン、桃、イチゴの輝かしさは凄まじい。マスカットもいい。上位中の上位。グレープフルーツ、キュウイ、パイナップル。このあたりは中の上であるがマンゴーあたりは好みの分かれるところ。リンゴより梨の方が上。遥かに上。見た目は似ているのになんという残酷…
そんな果物ピラミッドの下層に位置するのがバナナ、ミカン、柿である（謎の断定）。中でも、年中買えるという手頃感が、バナナの存在感をひときわ薄くしているのは否めない…
ごめんバナナ。許してバナナ。季節を問わずスーパーでいつも待機し、それも一房100円という低価格でその身を預けてくれる。実は凄まじい栄養価がありながら、ここまで腰を低くしているフルーツが他にあるだろうか？否である。なのに桃へ、スイカへ、私の心は奪われていたのだ…
そんなバナナが今、圧倒的トップに踊りだしている。空前のバナナブーム到来。メロン？桃？スイカ？鼻で笑う。2019年3月、平成最後の春に、バナナへのリスペクトが止まらない。
なぜか。それは彼の大好物だからである。
王子は離乳食あんまり食べない系男子である。
ああ、こないだまで食べてくれたこれもダメ、あれもダメ。今日もお粥一口であとは1mmも口を開けてくれない…手作りもベビーフードも生協の冷凍も、食べないときは全く食べない…
そんな絶望的状況でも、バナナは決して我々を裏切らない。
いつだって食べる。どんなときでも口を大きく開けて喜んで食べる。バナナさえあれば我々は笑顔になれる。バナナ＝幸せ。この方程式に長年気づいていなかった自分はなんと愚か。その上にいつでも買えて安いなんて、神の果物ではないか…？
王子にバナナヨーグルトをあげつつ、自分も食べる。そして開眼した。
ちょっと待って、バナナ、美味しすぎでは？
ほどよい酸味と甘み、柔らかいのに絶妙な歯ごたえ。今や最高のスイーツに君臨している…
出産前の私に、いま伝えたいこと
子育てを通じて、価値観は変わる。
だが安心してほしい。自分が自分でなくなるのではない。
バナナが輝きだすのである。
「バナナ美味しい」という話だけで1200字も書いてしまった。夜中の１時に、一体何をしているのか…
だけど、これからもいろんな「バナナ」に出会えるんじゃないかと、ワクワクしてもいるのである。
Sweet+++ tea time
ayako
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