旅も暮らしも、心をほどいて。益田ミリ『心がほどける小さな旅』

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皆さんは、どんな旅行が好きですか? ひとり旅って、したことありますか?

私は24歳の頃、2回だけひとり旅をしたことがある。京都と、長崎。

ひとり旅ってどうかというと、控えめにいって…

めちゃくちゃ楽しい!

*・*・*

 

特に忘れられないのが、3泊4日で憧れの長崎に行ったこと。

一度見てみたいと思っていたカトリック教会や大聖堂をのんびりと回って、大好きな遠藤周作の文学記念館に行って。

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灼熱の太陽が照りつける中、ぜったい車が運転できないと無理だろうと思われる教会を目指して歩き続けたのも、忘れられない。

初めての路面電車に乗ったし、夜は大好物の長崎ちゃんぽんを毎晩食べてしまった。

なにより良かったのが、同じホテルに3泊して、ゆっくりと一つの街を散歩できたこと。グラバー園や大浦天主堂が目の前の、ANAクラウンプラザホテルに泊まっていた。朝食ビュッフェがとても美味しい素敵なホテルだった。

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※ 写真は別の旅行です

好きな本をいろいろ買ってトランクはいっぱいになったけど、そのとき買った本はもう手許にないし、当時のiPhoneで撮った写真もどこかにいってしまった。

でも、教会のひとも長崎の街のひともみんなが親切にしてくれて、季節は大好きな夏で、とにかく記憶の中の風景はキラキラに光っている。

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益田ミリさんの旅エッセイで『心がほどけるちいさな旅』という一冊がある。私はこれがとっても好き。

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ふたり旅あり、ひとり旅あり、大声コンテストに出るため鹿児島に行ったり、競馬の桜花賞を見に兵庫へ行ったり。岐阜でオールナイトで盆踊りに興じたかと思えば、新江ノ島水族館に一泊して「くらげナイト」を満喫したり。

アクティブな旅もあれば、疲れを癒すのんびり旅も。「第九」の合唱練習に通ったり、東京の椿山荘で朝食を食べる回もある。

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私が特に面白く読んだのが、自然にふれてリラックスするため、植物園を見に高知へ向かう回である。

ホテルのすぐ近くのオシャレなパン屋さんで、いくつかパンを買い込んでチェックイン。ホテルの部屋で遅めの昼食をとる。
 それから、なにをするかというと、昼寝である。すぐにパジャマに着替えてベッドに横になる。旅だからといって、すぐに観光などしなくてもいいのだ。

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ホテルで買ってきたパンを食べて眠るだけ。それでも「ちゃんと旅の空気が部屋の中に満ちている」んだとか。たしかに、そうかもしれない…

小一時間、昼寝をした後は、読書。キャリーケースに6冊の本を詰めてきた。初日はダラダラと読書をしようと決めてきたのである。

旅先のホテルでゆっくり読書!

夜は夜で、

今回はホテルの部屋で、パジャマでゆっくり食べたい気分。なので、大丸の地下食品売り場に直行する。こまごまと惣菜を買い込み、ホテルに戻ってテレビを見つつ夕食。

そのあとはまたひたすらに読書で一日目が終わる。

翌日は牧野植物園に向かうのだが、こんな贅沢でマイペースな旅もあるのかぁ…と呼んでいてすごく楽しく、自由な気持ちになった。

*・*・*

 

「いろんな旅があるし、いろんな生き方がある」

当たり前のようで忘れがちな事実を、この可愛い文庫本はいつも思い出させてくれる。

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最後に、私のとっても好きな一節を。

二人旅のいいところは、話し相手がいることである。
そして、一人旅のいいところは、話し相手がいないことである。自分とだけ旅をするのも、また、いいものである。

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凝り固まったイメージを解いたら、生活も旅も、もっと肩の力を抜いて楽しめる気がするよね。

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Sweet+++ tea time
ayako

今日の一冊

 

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