「こんなやつ大嫌いッ!」
「なんか感じ悪ッ!」
そんなふうに思ってた相手を好きになったこと、読者の皆さんはあるだろうか?
先日、夫と映画「美女と野獣」を観た。エマ・ワトソンがとびっきり可愛いディズニー映画である。
ストーリーはご存知の通り、魔女の呪いで野獣の外見にさせられた王子が、知的な美女ベルと恋に落ち、二人が相思相愛になったことで最終的に呪いが解け、野獣は王子に戻り、美男美女のカップルになるという話である。
そもそも美女と野獣がどうやって出会うのかをすっかり忘れていたが、野獣はベルの父親を牢屋に閉じ込めてしまい(!)それを助けにきたベルが身代わりになることで二人は出会うのだった。ものすごい「出会い」である。
映画はキュートで華やかでとてもよかった。
豊洲の映画館を出た私たちは、涼しい5月の夜、清澄白河まで歩いて帰ることにした。夫はコンビニで買った飲むヨーグルトをすごい勢いで吸引しながら言った。
「ベルも野獣もさあ、二人ともいきなり仲良くなったよね。びっくりしたよ」
「うん、でも案外そういうもんじゃない? 恋愛ってこう、一気に仲良くなっちゃったりするんじゃないかな」
ミュージカルでありファンタジーである美女と野獣のことを、真剣に考える我々である。
「なんでベルはいきなり野獣のこと好きになったんだろう」
「そりゃあ」
「自分のこと助けてくれたからかなぁ?」
「ギャップ萌えだよ」
「ギャップ萌え?」
そうである。
最初から王子の外見でいかにもインテリで、実際文学にも明るく博識で上品で優しかったら、変わり者のベルは退屈したかもしれない。映画のヒロインも恋愛相談をもちかける女友達も、いわゆる完璧に無難な人にはなびかないものである。「どうとも思わない男子」に分類された可能性すらある。
だが、野獣は外見も野獣な上、中身も乱暴で意地悪で短気でまさに「こんなやつ大嫌いッ!」「なんか感じ悪ッ!」な相手なのだ。
それがある日、ベルが狼みたいな生き物に襲われそうになると、野獣が城から飛び出してきて命がけで助けてくれるのである。
粗野で乱暴者で知性のかけらもないと思っていた男が、戯曲の一節をさらりと諳んじるほどに文学に明るく、古今東西たくさんの本を読み、それをベルに与えてくれるのである。そして意外に可愛いところがある!キュート!それこそ実は一番の武器である。(カッコイイは見慣れても、キュートは飽きることがない)
…え?
…ええ?
…もしかして私、この人のこと好きかも?
となっちゃうわけだ(私はなったことないが)
という話を夫にした。
「ギャップかあ」
「そうそう。しかも最後は野獣がいきなり王子様になっちゃうんだから、ギャップ×2なわけよ。ベルもキュンときちゃうわけよ」
深夜の東京下町で、勝手な恋愛談義に花を咲かせる夫婦ふたりであった。
それにしても、「こんなやつ大嫌いッ!」「なんか感じ悪ッ!」と思っていた相手を好きになったこと、私は一度もないんだけど皆さんあるのだろうか?
クラスの中で「この人苦手だ…」と思った男子はたいていクラス替えのときまで苦手である。
壮大な映画や何話も連載されるドラマや漫画みたいに、劇的な関係の変化は起こらない。
せいぜい、4コマ漫画でおさまっちゃうよね。
読者の皆さん、4コマ漫画なこの日記を、今日も読みに来てくれてありがとう。複雑なコマ割りが必要な日は来るのだろうか?
Sweet+++ tea time
ayako
次回予告
明日は沖縄で見つけた可愛い猫さんたちの紹介です。私の猫活(ねこかつ)の成果である。(自己満足ともいう…)
今日の映画
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