前にも書いた気がするけれど、私は海や港の風景が大好きだ。
香る港、ホンコン。到着してすぐの夜、ホテルに荷物を置いた私たちは、港まで散歩してフェリーで海を渡ってみた。
さて、私の中には「香港=夜景キラキラ+ブランド物」という、勝手に信じているリッチな方程式がある。
果たして実際は、どうなんだろう?
夕闇に沈む香港。椰子の木のシルエット。景色も匂いも大好きなものがいっぱい詰まっていた。
紅磡(Hung Hom)の港へ向かってGoogle map 片手に歩く私たちは、外国に着いたばかりのときの緊張とドキドキでいっぱいだった。
フェリー乗り場である。
あれ、全然ゴージャスじゃない。
思いっきりテキトウな空間だった。すごい不潔とかではないが、少なくとも綺麗ではなかった。あれ、なんていうか全然、北京とか台湾と似た雰囲気だな…
でもこの、港の無機質な感じがけっこう好きだ。
かわいい香港ドルのコインたち。
料金もどこにも書いてないし切符を買う場所もない。私たちはベンチにただ座って、ちゃんと小銭が足りるかどうか、両替したばかりの香港ドルとにらめっこしていた。
出航時刻が近づくと、たくさんの人が入り口に押し寄せていた。もちろんみんな列になって並んだりしない。私たちも慌てて群れに入る。よういどん!みたいな感じで柵が開かれて、みんな一斉にフェリーに走っていく。
大急ぎでお目当ての2階席へ。
めちゃくちゃガラガラである。
何故に皆あんなに急いでたのかは分からない。
多くの人はもっぱら通勤にこのフェリーを利用してるみたいだった。仕事終わりの気だるくてほっとする気持ちが船内に満ちている。
通勤に船。
真ん中に海があるって、ふしぎだね香港。
果たして香港の夜景は、ほんとうに綺麗だった。火山から流れ出す溶岩のように、オレンジ色が燃えるように瞬いている。
神戸や東京の夜景も綺麗で大好きだけど、香港はもっとスケールが大きい気がした。
いつもは隅田川で無数の客船や屋形船が流れていくのを見ているけれど、今日は香港の海で、香港の船を見る。
数時間前まで東京にいて、成田空港に向かう早朝の電車からはのどかな田園風景が見えたのが、なんだか夢の中みたいに思える。
「今日と明日、どうしようねぇ」
「わくわくするねぇ」
相変わらず無計画旅行だけど、夫と二人で香港フェリーに揺られる夜は、最高に愉快だった。
というわけで、香港はほんとうに「夜景キラキラ」でした。
私の勝手な方程式「香港=夜景キラキラ+ブランド物」は途中まで合っていたのだ。しかし、旅行が進むにつれ、方程式はまたも崩れ、一部の値が変わってくることをこの時の私はまだ知らない。
香港=夜景キラキラ+飲茶
食いしん坊の予感しかしない、私たちの旅だった。
おまけ:今日の移動
地図でみるとこんな感じ。
紅磡(Hung Hom)から北角(North Point)へ。
地下鉄に乗っちゃえばすぐなんだけど、船で移動をしてみたかったんだ。
女好きみたいに言う緑くんであった。
皆さんは、旅に出てイメージが変わったこと、ありますか?
▽魅惑の香港飲茶ナイトへ続く▽
Sweet+++ tea time
ayako