この冬はほとんど洋服を買わなかった。
というのは嘘で、実はまったく買わなかった。
皆さんご存知のとおり冬って結局コートとマフラーになるじゃないですか。どんなに中に可愛い服を着ても高価な服を着ても外側的には結局コートとマフラーになるじゃないですか。
「じゃあ中身は4パターンくらいでいいよね」ってことにして冬を過ごしてしまった。
4パターン。
「一週間着まわしコーデ」とかできないわけです。だって着まわして4パターンですから。月から木まで巡ったら、金曜日はまた月曜日の服である。
勤め人だとアレですが、私は家に篭って過ごしてるんで「月曜日=金曜日」でも余裕である。自慢といえば自慢だし、どこが自慢かといわれればまったくその通りでもある。
だが、実を言うとこの4パターンの中にも「すごいお気に入りの服装」というのがあり、当然そればっかり着ている。学生じゃないのに制服があるという状態になる。
「すごいお気に入りの服装」「まあまあお気に入りの服装」「一応お出かけ用の服装」「別に気に入ってないけどこれを捨てると3パターンになっちゃうので着てるやつ」
フランス人は10着しか服を持たないという本があったけど、10着の超お気に入りって現実にはあり得ないことを私は知っている。10着の中にも、必ず優劣ができるのだ。4パターンの私が断言するので、間違いない。
さて先日、かなり久しぶりに渋谷に行った。目的の雑貨屋に向けて渋谷のマークシティの一階を通っていた。
4パターンのうちの「一応お出かけ用」を着て歩いている私を、春物の服を着たマネキン達が総出で迎えてくれる。みんな輝いていた。
それで思った。
「洋服欲しいなぁ」
というのは実は嘘で、こう思った。
「誰か私にぴったりの洋服を選んで送ってくれないかなぁ」
色もサイズもぴったりのを、コーディネートまで考えて送ってくれないかなぁ、という意味である。何様かという話である。
試着したり、店員さんと会話するのがどうにもダルイのだ。マフラーとコートとこの着膨れ服達を全部脱いで服を試着して「ああ〜痩せなきゃなぁ〜」などと思っているうちに
「いかがですか〜?」
などと甲高い声で店員さんに聞かれて返事をしたり買うか買わないかを決めたりするのが、億劫なのだ。
「じゃあネットショップで買えば?」とあなたは思うかもしれない。でも到着したら合わなくて返品したりするのも面倒なのだ。
「もしかして、洋服に興味ないんじゃないの?」
そうである。
「私はこの4着で行く。4着で越冬するのだ」
決意固く、堂々と歩いた着膨れ女がマークシティーにいたら、それは私である。
春になったら、服を買おう。
きっとみんな、そう思ってるよね。それとも、この極寒の日々に、まさかのセールとか、行ってたりするの?
緑くんは、それでいいけどね。
Sweet+++ tea time
ayako