海のオシャレな写真からこんにちは。
おしゃれな夏といえば海があり、海といえば湘南である。
だがもちろん、事の発端は海でもオシャレでもなかった。
食いしん坊の夫が騒ぎ出したのである。
生しらすを求め、毎年鎌倉や江ノ島へ繰り出している我々に、また夏は巡り来た。
「今年はもっと新鮮な生シラスを食べたい」
こうして【生しらす大作戦2016】は動き始めた。
もっとも新鮮なシラスはどこにあるか?
最高に新鮮なシラス・・・それはもちろん海の中にあり、漁師さんの船の中にある。
だが漁船に乗れないとしたら、我々が最も新鮮な生シラスにありつけるのは…
港である。
(猫の絵に特に意味はない)
こうして、5月某日、我々は湘南は腰越漁港へと降り立ったのであった。
日帰り湘南シラス旅日記である。
江ノ電ってワクワクするよ
レトロな江ノ電。小さな江ノ電。乙女心をくすぐる江ノ電。
丸い窓から、5月の新緑が煌めいている。
東京から神奈川なんて近いのに、旅してる感を思いっきり満たしてくれる、江ノ電。
チョコレート色のベンチ。板チョコベンチ。いいねぇ、いいねぇ!江ノ電の駅は楽しいものであふれている。
初めて下車する「腰越」駅
藤沢駅から乗って、江ノ島と鎌倉高校前の間が「腰越」。
今まで降りたことがあるのは、江ノ島、七里ヶ浜、極楽寺、長谷、鎌倉。
だから腰越で下車するのは初めてだし、何度も乗ったことがある電車でも「初めて」がちゃんと残されてるって嬉しくなる。
腰越駅の小さな駅舎に、素朴な鯉のぼり。
だが余韻に浸る間もなく、開店直後の店へ駆け込むべく私たちは走り出した。腰越漁港の名店「しらすや」の最高に新鮮な生しらすを目指して…
「しらすや」には着いたけど
「なぜ店の端っこだけを写しているのか?」
それはこの下に、ものすごい人だかりがあったからである。
皆さん、真夏日の炎天下、こんな表情で静かに立っている。
そう、最も新鮮な生しらすを求める人たちは、開店前から並んでいたのだ。
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(1時間以上が経過)
泣きながら食べたことは言うまでもない。
今まで鎌倉、江ノ島、築地といろんなところで生しらす丼を食べてきたけど、一番新鮮な感じがした。生しらすもたっぷり載っていたし!
「最高だねぇ(白目)」
「生シラスも白米もギッシリだねぇ!」
「無理しないで、食べてあげるからね(親切を装う)」
「・・・・・」
大盛りを食べているのにもかかわらず、私の分を侵食しようとする夫。
貝殻の形をした照明。海沿いの美味しいお食事処「しらすや」であった。
腰越の町に繰り出そう!
皆さんご存知のとおり、この「おしゃれブログ」が生しらす写真で終わるわけがない。満腹になった夫にはオマケでしかなかっただろうが、私にとっては本番の町歩きである!
腰越漁港の風景から。
いいねえ。私は「港」や「海沿い」って一番好き。その佇まいは代官山のカフェより自由が丘のパンケーキよりずっと「そそる」のです。
港の風景。船と海と、その向こうに江ノ島。
釜揚げしらすを干している(乾かしている?)不思議な光景にも出くわした。
コンクリートは太陽の光を吸い込んで見るからに暑そう。でも、こういう感じも夏好きの私にはたまらない。
2年前、ハワイに行ったときの写真。夏のコンクリート。なぜか足元の写真をよく撮ってるし、2年前も同じような写真を撮っている自分に呆れる…
5月なのに海水浴!
港を抜けると、海が広がる。
え!5月の下旬だけど、もう海水浴に来ている人たちが。
海で泳いだり(訳:浮いたり)、砂浜でのんびりするのが大好きな私は、とたんに興奮。「海開き」ってまだなんじゃないの?
特段の規制が設けられている場合を除き、海開きを迎える以前でも遊泳は可能である。(wikipediaより)
なんと今の今まで知らなかった!
どうして水着を持ってこなかったんだろう。次は絶対泳ぎに来よう。
「腰越、ぜったいまた来ようね(泳ぎに)」
「そうだね(シラス食べに)」
すれ違った会話をする二人。
海の近くの風景が好き
海に入れなくても、町中がもう海沿いの風景。夏が似合う街。この空気感、大好きだなぁとしみじみする。
小径とその先に広がる青い海や空って、一番ロマンチックな景色だよね。
腰越は、江ノ島や鎌倉みたいに観光客が大勢いないから、静かな海沿いの街って感じだ。そこがまたいい。
私は自分の住んでいるところが大好きで、東京下町日記もよく書いてるけど、また少し遠出すると「いつもと違う景色を見られるって最高に楽しいなぁ」と思う。
家族や恋人、好きな人と美味しいご飯を食べて、ちょっと違う景色の中を歩く。私たちを幸福にするシンプルな条件はきっとそんなところ。遠くても近くても、だから旅行は楽しくて優しい。
江ノ電が運ぶもの
晴れた5月の休日。たくさんの人々の期待や楽しみ、ワクワク感を載せて、民家と民家の狭い隙間を抜けて江ノ電は行く。
線路沿いに見つけた、眩しいグリーンとピンク色。
私の写真で、旅の楽しさと優しさが伝わったら嬉しいなあ。
暑さでへとへとになった帰り、藤沢駅にある「江ノ電の珈琲屋さん」で買ったソフトクリーム。旅の終わりのソフトクリーム。この甘さが、どこまでも心地よく、口の中で溶けてゆく。
また来よう。
楽しい場所を見つけるといつもそう思うけど、本当にまた来るところは数えるほどだと知っている。知っているのにいつもそう思う。
日帰り湘南シラス旅、終わり。
そう、実はこの一ヶ月半後、またも腰越を訪れることになることを、この時はまだ知らない。
「線路と旅は続くよどこまでも」
Sweet+++ tea time
ayako
おまけの話
帰りの電車にて。
「しらす漁船に同乗できるツアーとかないかなぁ」
「・・・・・」
さらに新鮮な生シラスを求め、欲を出し始めた夫であった。