(※ 2019年4月11日更新)
皆さん、くじ引きとか競馬とか、賭け事ってしますか?
私はまったくである。ギャンブルはもちろん、宝くじすら買ったことがない。
でも最近、「賭ける」って、実は大事なことかもしれない、生きて行くための良い訓練になるのかも!?なんて思ってしまった。
面白い本を読んでしまったのです。
『暮らしの哲学 やったら楽しい101題』
美しいデザインの、黄色い文庫本。
東京駅KITTEの中にある「丸の内リーディングスタイル」という大好きな本屋さんで見つけてしまった。
ロジェ=ポル・ドロワというフランスの哲学者が書いた『暮らしの哲学―やったら楽しい101題 』です。
文字通り、試してみたら面白い視点がもらえるよ!という101題が順番に紹介されている。ココロの処方箋みたいな一冊である。
どんなお題があるの?
101題のうち、特に面白いと思った5題を紹介してみます。
頭のなかでリンゴの皮をむく
(効果)集中力が高まる
私はいつもいろんなことにソワソワしちゃって集中力がないので、「頭のなかでリンゴの皮をむく」べきなのかもしれない。
服をたくさん試着する
(効果)さまざまな人生を体験する
洋服を試着するのが面倒だと思っちゃう私だけど、いろいろ着てみなきゃと思う。
旅行先から自分の部屋に帰る
(効果)ほっとする
旅先から帰ってくると、自分の部屋は確かに違って見える。
真昼に映画館から外へ出る
(効果)時差が生じる
これ、あるよねぇ!
知らない女性に「あなたは美しい」と言う
(効果)反応が楽しみ
言ったことはないけど、言われたことはある。(違ったけど)
*・*・*
こんな感じで、クスッと笑っちゃうようなウィットに富んだものばかり。お題の「効果」「所要時間」「用意するもの」まで記載されている。
私が一番気になっちゃったお題とは?
私が妙に惹かれてしまったのは、これ。
カジノでお金を賭ける
効果は「大胆になる」で、所要時間は2秒!
たったいま、あなたはお金を賭けました。ゲームはまったくの偶然に支配されています。なんの能力もいらないし、誰の力も借りられません。この賭けには、この先の自分の人生がかかっている、と思ってみましょう。
カジノってどんな感じ?
夫は外国でよくカジノに行ってるけど、私はまだ行ったことがない。映画のなかではみたことがあるけれど…
明日からの自分が、自分ではまったく手のくだしようのないところで、おおかた決まろうとしているのです。
とりあえず想像、緊張の瞬間である。
例えば競馬ならそれぞれの馬の特性とか健康状態とかいろいろな日々の研究だってそれなりに成果があるのかも。競輪でも。パチスロだって「いい台」があるのかも。
でもここで大事なのは勝敗の確率を極めることではないのだ。
賭けの結果は、あなたの手柄とも落ち度とも関係がありません。気まぐれで目的をもたない圧倒的な力が、あなたの上に君臨しているのです。一秒後には勝者か敗者のどちらかに決まっているということは、あなたの普段のおこないが正しいかどうかとはまったく関係ないのです。
「神のみぞ知る」の世界がある
どういうふうに努力したら、どんな成果がでるか。逆に大切なことを怠ったら、どんなことがおきるのか。
私たちはそういう因果応報の世界が好きな生き物である。
一瞬で決まる勝敗の瞬間、
人はこのすきまを、なんらかの説明、願い、ありとあらゆるまじないの類で埋めようとしがちです。
なぜか?
それはとっても簡単なことで、
自分の人生が何かしら理不尽なものに左右されようとしている瞬間を、生々しくあからさまに受け止めるには、大いなる精神力が必要
だから。
私たちは説明のつかないこと、自分たちの支配が及ばない世界を無意識に恐れている。
賭け事で、大胆な気持ちになれたらいいなぁ
人生はきっとカジノ的要素もある。因果応報じゃなく、不思議な力が人生を動かす瞬間はきっとある。
勝ったときはいい。でも負けたとき、
「どうしてうまくいかないんだろう」
「私は悪くないのに」
過去や自分の行いに因果を見つけようとするのは、生きるのを難しくしちゃうかもしれない。
ジタバタしないで、ぱっと手を広げて事の成り行きをおまかせする。勝敗を神様にまかせて、未来の方を見る。今は「待つべき瞬間」なんだと察知する。
そんな「動物の勘」みたいなものがあったら、もっと生きて行くのが楽になるんじゃないだろうか。
「カジノでお金をかける」
やっぱり惹かれる、面白いお題だ。
毎朝の「傘賭け」をやってみる
日本には(今のところ)カジノがないから、日常版です。
朝、天気予報を見ないで、傘を持っていくかどうするか決める。
「今日はきっと降らない!」
予想通り降らなかったらラッキー。
予想外れて雨が降ったら、土砂降りの中濡れて帰るか、コンビニで買うことになった「残念賞」のビニール傘を笑って広げる。
雨と傘ってにくい存在で、いつも折り畳み傘を持ち歩くと何週間も雨が降らずカバンがかさばったり、違うカバンを持った日に限ってしれっと降ったりするのである。「いつ雨が降っても大丈夫」と晴天の日も自分の傘を握りしめて歩く人生よりも、身軽でワクワクするかも。
いつか外国のカジノに行ってみたいけれど、ひとまずは毎朝の「傘賭け」、やってみよう!
そんなことを思った、楽しい読書体験でした。
自分の「ワイルドさ」に異常な自信を持っている緑くんでした。
Sweet+++ tea time
ayako
こちらもどうぞ