「本当の幸せは失ってはじめて気づくものだ」というのはよく聞く話である。
残酷だがこれは真実だ。
バスに2時間揺られ、地獄の船旅からまたカオラックに戻ってきた我々は悟った。
幸せ。それは陸地にいられるということ。
幸福のハードルが文字通り0に至った我々が、「あたりまえ」の素晴らしさを噛み締めた、タイ旅行4日目の夜から帰国までの日記である(とうとう最終話です)
陸地で猫を撫でている瞬間、幸福はMAXに達した
レストランで夕飯でも食べようと、やってきたバンニャン。それは猫さんの聖地でもある。
夜だしカメラの設定は下手だしでブレまくっているが、可愛いのですべてOKということになる。
もう、揺れない。尻が船底に叩きつけられることがない。地に足をつき、猫さんを撫でている。私たちはむせび泣く勢いで歓喜した。
これは幸せの極致である。
オプショナルツアーなど予約する必要がなかったことはもちろん、もはやタイのカオラックくんだりまでやってくる必要すらなかった。幸せは陸地にあるのだから。
「Wonderland」というレストランで、猫の漫画を予約する
とっぷりと暮れたバンニャンの街で、きらびやかな電飾に縁取られたレストランがあった。その名も「Wonderland」。
早朝の出発のため朝ごはんも抜き、昼も船酔いの恐怖からほとんど口にしていない。空腹の私たちは吸い込まれるように店の中へ。
美しい電飾の下、絶品のタイ料理を食べながらiPhone画面をぼんやりと眺める喜び。ああ、インターネット最高。陸地最高。まさにワンダーランド。Amazonで大好きな猫漫画の予約が始まっていたので、ふたり嬉々としてポチった。
ここがタイである必要があるのか?
考えてはいけない。
そして迎えた最終日
夜のフライトなので、朝食ビュッフェを堪能した後、すぐさまホテルのプールへ。一秒たりとも無駄にしまいとする、優雅とは程遠い旅行客なのである。
ホテルのことは別に紹介記事を書く予定だけど、めちゃくちゃ素敵なプールが敷地全体に流れていた。
もしかして、このホテルで優雅に過ごすのが正しい雨季のカオラック旅行だったのではないか?
考えてはいけない。
バンニャンの「Thai Life」でランチを食べたよ
クリーム色の可愛いレストランで最後のお昼ごはん。
大好きなマサマンカレーとチャーハン的なものをいただく。
まさかカルディのタイ直輸入マサマンカレー(レトルト)の方が美味しかったなんて、そんなことあるわけないよね。
楽しかった夏の旅行もとうとうおしまい。
旅の終わりは、ちょっと切ない
荷物をスーツケースにまとめて、しんみりする。
タクシーに揺られ、夜の空港へ。
空港で最後に食べる晩ごはん。タイ料理で決めたいと意気込んでいた夫だったが、お店の接客に失望したりして、ふたりで切なくハンバーガーをいただく。ちなみにすごく美味しくなかった。
深夜のトランジット。スターバックスの窓から飛行機が見える。
窓から見えた朝焼けがびっくりするくらい綺麗だった。
さよならタイ。さよならカオラック。
思えば一年近く前の旅行だけど、私は今日も、陸地で暮らせる毎日に感激して過ごしている。
間違いない。
▽第9話(お土産日記)へつづく▽
Sweet+++ tea time
ayako
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