おしゃれだけど現実にはないシチュエーション

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おしゃれな雑誌や映画ではおなじみだけど、現実には見たことのないシチュエーションというのがある。

端的に言おう、「果物を直接手に持って歩いてる人」である。(なお、この場合の果物は高確率でりんごである)

金髪長身の西洋人の男が、ガードレール的な柵(色は深いグリーン)に長い足でもたれかかってシュッと横を向いてりんごをかじっている。あるある。似合ってる。横顔もシャープ。

ボーイッシュでラフな格好をした茶髪碧眼の欧米ガールが片手にクラフト紙の茶色い紙袋(中にはおしゃれ食品が入っている)を抱えつつ、坂道を登りながらりんごをかじってる。あるある。絶対「FUDGE」にいる。

だが約30年の人生で私は一度もそんなことをしたことがないし、見たこともない。

もしもデートの待ち合わせで、相手の男がジャケットからシュッとりんごを出して齧っているのを見つけてしまったらどうだろう。「この人酔ってるナ…」としか思わない。

もしも夫との待ち合わせで、彼がパーカーのポッケからりんごを出して齧りはじめたらどうだろう。「この人無理してるナ…」としか思わない。なぜなら彼が本当に食べたいのはりんごなどではなく鶏の唐揚げだと知っているからである。

*・*・*

 

とまあこの日記では夫のことを好き勝手に書いているわけですが、じゃあ当のayakoさんはどうなんだという話ですね。

読者の皆さんご存知のとおり、悔しいほどにフルーツが似合う女である。おしゃれ果物ランキングの最下位をバナナと競い合っているあのみかんに最近どハマり中、道端で突然齧り出すなどという野蛮を許さず、机の上で熱心に皮をむいては一口一口感激して食している私である。

では想像してみよう。

居酒屋、コインランドリー、焼き鳥屋、ラーメン屋、居酒屋。間の抜けた東京下町、行き交う人も老人ばかりの平和な平日昼下がり、身長157cmの丸顔女がりんごを齧りながら歩いている。すれ違うのはスラッとしたシティーボーイ、ではなくワイドなお相撲さん。八百屋のおじさんの声も響く。

わかるだろう。

それはおしゃれでもなんでもなく「お腹すいてりんごを突然食べ始めちゃった人」でしかないのである。どっちかというと狂人の部類なのである。そのりんごはまず間違いなく八百屋で買ったやつなのである。

ふさわしい街並み、似合うシチュエーション、映えるルックス。ありとあらゆる文脈と才能がそろってやっと、りんごはカジュアルに握られ、齧られることを許すのだ・・・

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観賞用の雑誌「 FUDGE」

とまあ、ページをめくってはこんな妄想をしているがために、私はファッション誌をいくら買っても一向におしゃれにならないのだと薄々感づいている今日この頃である。

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最終目標は「道端でりんごを齧れる人」に定まったよね。(まずはヨーロッパへの移住から…)

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Sweet+++ tea time
ayako

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