逆玉狙いで結婚した男の嘆き

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先だって、散歩中のことである。私は夫に今後の仕事の展望を語っていた。

6月に初めての単独販売会も無事に開くことができたし、今後はこういうペースでこんなアクセサリーを作り、12月の繁忙期に向けてお店作りをしてゆきたい。いつか麻布のもう少し広いギャラリーを借りてイベントをやりたくて、そのためにはこれくらい売上を出さなければならない云々…

(読者の皆さんご存知のとおり、私は話が長い)

普段は気まぐれ鈍行列車な私のショップであるが、お仕事がちょっとでもうまくいくよう、日々考えたり模索しているのだ。

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すると夫は言った。

「がんばってくれたまえ。なんといっても、すべてはayakoさんにかかってるんだから!」

夫は一呼吸置くとさらにこう言った。

僕は逆玉に乗るんだから!!!

「そうなの…?」

「そうだよッ!」

90キロ以上の夫を乗せるには、そうとうの大玉にならなければならない。

*・*・*

 

「だいたい僕は逆玉狙いで結婚したんだから!将来性を見越してayakoさんと結婚したんだよ」

「フフ…まるで株だね。きみは良い株を買ったよ」

基本的に自己愛の強い私である。すぐに調子に乗った。すると夫はこう嘆き出した。

「本当は、すぐに利益を出す短期保有のつもりで買ったのに。全然だから仕方なく長期保有の株になっちゃったんだよ」

「長期保有しといたほうがいいよ。こういう株はあとでうまみが出てくるんだから」

私は得意げに言った。株など一度も買ったことないが、自分株への自信はすごい。

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「今のところは全然損だよ」

「そんなことないよ。配当金を受け取ってるでしょう。」

「配当金…?」

「株主優待だってあるし」

「株主優待…?」

「毎日受けてるでしょう」

「いったいどんな優待が?」

「家に帰ったら毎日ayakoさんがいる。あのayakoさんが!超レアな!すごいよ」

夫は言葉を失い、私は胸を張って歩いていた。

「ぼ、僕だって、超レアなんだから…!」

なぜか対抗意識を燃やしている夫であった。

*・*・*

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翌朝、リュックを背負って自転車で出て行く夫を、玄関で見送った。

「今日もがんばって働こう!」と、私がいつもどおりの言葉をかけると、

「逆玉だよ」

鋭い眼光で念押ししてきた。

「任せなさい。いまはただの玉だけど」

発音は猫の「タマ」である。すると夫は少し考えてこう言った。

「二人とも玉じゃないよね。誰も乗ってないし載せてない。僕たちはただのノン玉夫婦だよ…」

ノン玉夫婦・・・

*・*・*

 

最後に、そんなノン玉夫婦の本日のLINEを紹介して、今日の日記は終わりにしたい。

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まさにである。

(ちなみにスタンプはキューライスさんのネコノヒーである)

というわけで92キロでよく食べる夫を逆玉に載せなければだし、その前に猫も飼いたいので、お仕事をがんばろうと思います。このブログも毎日更新できたらいいのですが、なかなか難しいかもしれません…(できるだけ頑張ります!)

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Sweet+++ tea time
ayako

ayakoさんのお店

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