「ねえねえ、私のどこが好き?」
いま書き起こした瞬間から胸焼けがするようなセリフであるが、まあ熱々の恋人同士ならよくある会話だろう。
こういう場合、質問した女はなんと言われるのが嬉しいだろう?
【例1】
「優しいところだよ」
「…ほかには?」
優等生度:★★★★☆
会話のユーモア:☆☆☆☆☆
内心嬉しさ度:★★☆☆☆
【例2】
「ん〜、やっぱ顔!」
「ちょっともう〜!なんか性格とか内面とか言ってよお!」
優等生度:★☆☆☆☆
会話のユーモア:★★★★☆
内心嬉しさ度:★★★★★
実はこの場合、「顔!」とか「見た目!」と言われるのは女のテンションを密かにあげる。
「優しいところ」とか「いつも明るいところ」といった卒業文集の「あなたのいいところ」欄に書かれそうな教科書的なことを言われるよりも、ストレートに外見が好みだと言われるのは案外嬉しいものなのだ。
まあ、好きな人から褒められればなんだって嬉しいんですけどね。いずれにしろ、この質問に対する男の答えは「外見」か「内面」のどちらかに分類されることがほとんどであろう。
先だって、夫が珍しくほろ酔いで帰ってきた。SEの夫にはほとんど飲み会がなく、しかもお酒に強いので滅多に酔わない。
が、その日は珍しく上機嫌でソファに横たわっていた。
いいことを思いついた。私はニンマリ笑いながら夫に近づいた。滅多に酔わない夫の貴重なほろ酔い状態。利用しない手はない。アルコールが軽く作用したときというのは、その人の本音を一番引き出しやすいというではないか。
「ねえねえ、私のどこが好き?」
それで冒頭のセリフである。おいおい自分が言ったのかよ、と思った読者の皆さん、その通りである。気持ち悪いかもしれないがそこは許容してください。熱々の恋人同士の時期に尋ね損ねてしまったので、結婚4年目の確認である。
「ayakoさんの好きなところ…?」
夫はきょとんとした顔でこちらを見る。
「そうそう。二つあげてもいいよ」
私は身を乗り出して回答を待った。
すると夫は、愛に満ちた微笑みを浮かべて自信満々にこう言った。
「カレーとかラーメンを一緒に食べれるところかなぁ!」
優等生度:☆☆☆☆☆
会話のユーモア:★★★★☆
的外れ度:★★★★★
二つあげてもいいとは言ったが、食べ物を二つという意味ではない。
ちなみにここ数ヶ月、ダイエットのため大好きなカレーは一度も食べていない。ラーメンも行かない。したがって、私の魅力はほぼ失われている。これがいわゆる、夫婦の危機なのかもしれないよね。
Sweet+++ tea time
ayako
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