長らく家で過ごす日々だったけど、とうとう就職が決まった。
勤務先が宇宙なのはちょっと遠くてびっくりしたけど、まあ、今はそんなに珍しいことでもない。グローバル化が進んで宇宙展開も普通になったからなぁ。詳細はメールで送られてくるらしい。
ちなみに仕事内容は、歌詞を作ること。宇宙で流行っている楽曲に歌詞をつけてリリースしていくらしい。不思議な会社だ。
だいたい、わざわざ宇宙にオフィスを構える必要があるんだろうか。まあ、宇宙支社があるって一種のステイタスだから、アピールなんだろうね。
ここまで読んでくださったあなたにお礼を言いたい。読者の皆さん、ありがとう。私の気が狂ったのではない。昨夜の夢の話である。(夢が狂っている…)
夢の中でとある企業の宇宙支社に就職することになった私は、入社式に出るために宇宙船に乗って行った。月曜日に宇宙に行き、金曜の夜には地球に戻ってくる。そんな未来的な日々である。
ある日私はしばらく地球待機と言われたので、何日も家でのんびり過ごしながら、次の出勤を待っていた。
けっこうラクそうな仕事だ。
ある朝、急に出勤命令が出た。私は大急ぎで宇宙ステーションに向かおうとするのだが、どうしても制服が見つからない。制服がないと宇宙船に乗れないのだ。
家中の引き出しという引き出しを開けて制服の上着を探しているのだが、ない。どこにもない。どういうことだ!?ちゃんと置き場所を決めてたのに!と大パニックになったところで目が覚めた。
北側の窓から控えめな光が差し込む3月の朝、私はぼんやりと瞼をこすった。随分とSFな夢を見ちゃったなぁ。
自分の夢の話を興奮気味に語ってくる人ほど面倒なことはないと思うのだが、私はさっそく夫に報告した。
「昨日は夢で宇宙に出勤したよ」
「ayakoさんの夢はいつもメルヘンだねぇ」
夫と違って、私は異常に夢の内容を覚えているタイプだ。そして夢の内容をとうとうと語るのもいつも通りのことなので、夫は私が宇宙で働こうと恐竜と友達になろうと、まったく動揺を見せず穏やかである。
デロンギのコーヒーメーカーで夫のコーヒーを準備し、自分用には熱いミルクティーをポットにたっぷりと淹れる。
朝食は大好きなバナナである。
夫は自転車で出勤した。私は部屋の掃除をしてネットショップの仕事をし、ブログを書く。いつもどおり作業机に向かう私の毎日は、宇宙と地球を行き来する日々よりだいぶ地味である。
夢はいつも変だ。変だけど、考え出しているのは他でもない自分なのだから妙にリアリティもある。
宇宙勤務とかスケールが大きい設定かと思えば、けっきょく制服が見つからなくてバタぐるってるあたり、現実の私そのもの。
どこで働くことになっても、どこで暮らすことになっても、けっきょく私は私なんだよなぁ。
夢の中の自分を思い浮かべて、私はニヤリと笑った。
いつでも迅速に宇宙ステーションに向かえるように、整理整頓だけはしておかないとね。
さて、みんな、どんな夢を見てるんだろう?
Sweet+++ tea time
ayako
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