12月のある日の夜、日比谷駅から銀座に歩いてきました。
人々の欲望を駆り立てる、美しいショーウィンドウがズラリと続く銀座の街。
クリスマスシーズンだったから、いつもに増して煌びやかで、歩く人々も楽しそうで、楽しそうなのに寂しそう。
そんな銀座の街に、彼は眠っていた。
東京の真ん中で、足の裏をオープンにして、子シロクマを載せ、ぐうぐう。
ぐうぐう、ぐうぐう。
いいねぇ、いいねぇ。
買い物袋を抱えた人もそうじゃない人も、誰かと一緒の人もそうじゃない人も、みんなシロクマの周りに集まってきた。
さあ、皆さん、よく見てほしい。
このシロクマ、ちょっと動いた!
ボタンを押すと、少し動いてつぶらな瞳を見せてくれるのである。
みんな大喜びでスマホのカメラを向けるなか、一人一眼レフで張り切っていた私の姿を、思い浮かべてはいけない。
頭にも、
背中にも、
子シロクマを載せて。
そんなシロクマを見守るペンギンたちもいた。
きっとみんな何かの広告だと思うんだけど、まったく気付かず癒されてしまった。
華やかな街を作るのも、そこで寂しさを感じるのも、人間。
でもショーウィンドウに大きなシロクマを置こうと考えるのも、人間。
そのシロクマに、思いがけずほっこりしちゃうのも。
「やっかいな、ヤツらだよねぇ」
おめかししたペンギン達も、ちょっと呆れちゃう夜なのでした。
東京の街も、もっと撮ってみたいなぁと思った。
Sweet+++ tea time
ayako