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Sweet+++ tea time

Enjoy your life and journey!

Life&Journey

Welcome to my diary!

寂しいときは誰にでもある。黒マーブル猫のこと:「猫の日」にちなんで

暮らしのWEBエッセイ《小さな幸せ》

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今日が「猫の日」って、知ってました?

にゃーにゃーにゃーの2月22日だから、猫の日。

 近所によく出没する猫がいるんですが、とりあえず美人とは言い難い、黒マーブルの毛をしています。(写真の猫たちは、いずれも別の子)

その黒マーブル猫、いつもひとりで飄々とその辺を闊歩しています。飼い猫なのか野良猫なのかもわからない。でも、結構ふっくらしてるし、どっかで飼われているのか餌をもらってるんだと思う。

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ある朝、夫が自分の自転車の前に黒マーブル猫がデンと座っているのを見て、大喜びで近づいたところ、脱兎のごとく(いや猫だけど)駆け抜けていったらしい。猫好きの夫は肩を落としていた。

珍しい日もある

そんな傍若無人な黒マーブル猫が、あるとき、凄く寂しそうにしていたことがあった。

外出から帰ってきた私が、自転車をマンションの駐輪場に止めていたら。ガサっと音がして隅っこの植木の影から黒マーブル猫が出てきた。
いつもどおり、ふてぶてしい表情で去っていくのかなあと思ったら、どうも様子が違う。

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こちらの様子を伺いながら、おそるおそる近づいてきた。人間の五歩分くらいの間をとって座り、じっとこっちを見てくる。
「どうしたの、珍しいね」
(・・・)
「お腹すいてるの?」
(・・・)
「かわいいねえ」
(・・・)
「もしかしてお前、寂しいの」
(・・・)

黒マーブル猫は何も言わない。ただ、もう少し近づいて、リラックスするように横たわった。

猫好きの私は嬉しくて、でも心配になった。いつもは愛想のない黒マーブルが、すごく人恋しそうに見えたから。寂しいんだろうか。

蜜月状態の恋人みたいな視線できゅうとこちらを見つめてくる。私はそんな黒マーブル猫にしばらくの間ひとりで話しかけた。(危険だ)

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「ごめんね、私そろそろいかなきゃ」

私が自転車のカゴに載せていたビニール袋を掴み、自転車から離れようとすると、黒マーブル猫も何かを察したのか大慌てでこちらへやってきた。

壁と自転車に挟まれた私が、出て行くときに通る小さな隙間を遮るように、黒マーブルが横たわる。

「ど、どうしたの」

「う〜ん、寂しいのかなあ。でもうちは猫飼えないんだよ・・・」

黒マーブル猫はいよいよ困る私の足元をくるくるまわり始め、その全然綺麗な模様じゃないけど可愛らしい毛を擦り付けてきた。

こ、これは・・・

私ははっとした。

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「多分この子オレのこと好きだ・・・」

女友達から寄せられる恋心に、勘付いてしまった男の気持ちになる私。(なぜ)

気持ちはほんと有難いけど、付き合うわけにはいかない(飼うことはできない)。だからなおさら、寂しそうだからって優しくできない。(撫でてやりたいのはやまやまだけど、それはできない。)

だってここで優しくしたら(撫で撫でしたら)、彼女(黒マーブル)を余計に寂しくさせてしまう。

仁王立ちで硬直したまま、そんな思考がグルグルと巡る。

もしも自分が「軽い男」だったらここでさらっと撫でたり抱き上げたりしちゃうのかもしれない。でも・・・そんな思わせぶりなこと、自分にはできない。

どこまでも「硬派な男」である私。

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「ごめんよ〜ごめんよ〜」

そう言っているうちに、また黒マーブルが少し離れたので、いまだ!と思ってビニール袋を掴んで出ようとすると、また大慌てでやってきて、入り口を塞いで横たわる→ブーツすりすり

そんなやりとりが繰り返された後、なんとか隙を見つけて自転車と壁の隙間から脱出し、オートロックの扉を開けようとすると、感じる視線。

黒マーブルは私の少し後ろでじっと座ってスタンバイしていた。

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これは、確実に、マンションの中に入ってきてしまう・・・

苦渋の決断で、私はマンションの中に入るのを諦め、その場を後にした。黒マーブル猫が去るまで、しばらくの間あてもなく通りを歩いていた。

「ごめんよ。でも私はあんなに寂しそうな君には優しくできないんだ」

しばらくして、重い荷物を持ったままマンションの入り口(駐輪場)に戻ると、そこにはもう彼女(彼)の姿はなかった。

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誰にでも寂しいときがある。寂しくて、誰かにすがってしまうこともある。そして、もちろん、それに応えてもらえない時も。

黒マーブルが、ちゃんと受け入れられる人に優しくしてもらってるといいなあ。

自分が寂しいときには分からなかったけれど、応えられない方もまた苦しい思いをしている。

眩しい夕陽がさしてきて、私は目を細めた。

「軽い男」になった方がよかったんだろうか?(いったい何の話)

おまけ

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小豆島で。全然寂しそうじゃない呑気な猫を撫でる。

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そう、孤高の緑くんのようにね・・・