今日は、ある日曜日の清澄白河散歩について書いてみよう。
散歩中に高級賃貸デザイナーズマンションという超憧れ物件を見つけてしまった私の、貴重な脳内記録である(誰得)
あなたの「理想の家」ってありますか?
夫とふたりで暮らす今のマンションは、二人暮らしにはやや広い。家賃も、私たちにとってはやや高め。引っ越してもよかったんだけど、ダラダラした性格が災いして気づいたら更新の時期も逃し3年目である。
そんな私たちの最近の住居結論。
「ボロセマエキトオ」でいいんだよね
「ボロセマエキトオ」とは、「ボロくて狭くて、駅から遠い物件」のことである(そのまま)。世の中でハイスペックとされる物件(新築、広々、駅近)の真逆を行く結論になった理由は、
- 今住んでるマンションもまあ古め(築20年以上)なんだけど、正直もっと古くても全然いい(なんせ私は一人暮らしをしていたころ築50年以上の社宅に住んでいた)
- 今は3部屋あるんだけど、結局いつもリビングの端っこのふたりがけソファに座っている(総面積2畳?)
- 互いの生活スタイル(そんなかっこいいもんじゃないが)的に、駅から徒歩数分の利点が別にいらない。(駅近なのに電車乗らないって無駄じゃん?)
というわけで、「『ボロセマエキトオ』物件で、もっと家賃安いところに移りたいね〜」なんて話してたわけです。このときまだ、心穏やかかに。
「欲望」は突如姿を現した
「もっと控えめ家賃のところでのんびり暮らしたいね(微笑)」
そんな謙虚かつ穏やかな会話をしながら散歩していた日曜日の昼下がり。
川辺に、今までみたことのない建物が出現していた。
ほら、あなたにもバルコニーから川を眺めておしゃべりしている、ドラマの主人公たちが見えるだろう(脳内で)
写真で伝わっているか自信ないんだけど、このマンション、本当にめちゃくちゃ輝いていた。煉瓦造りで、背が高すぎず「いかにも住居用マンション」じゃない佇まい。そしてなんといっても川沿い。
最初は、テナント?オフィス?中にカフェか服屋でも入ってるの!?なんて思ったくらい。なにはともあれ、20年以上も前のドラマ「ロングバケーション」に憧れてこのエリアに住んだ私にはたまらない物件である。
にわかテンションの上がる二人。
「なにこれ!?めちゃくちゃ素敵」
「ドラマに出てきそう!?」
「すごい!見に行こう!」
さっそく近寄ってみました
「マンション名を確認してググろう!」と意気込んで表に回ったら。
「入居者募集中」なんてムードをぶち壊す看板は、どこにもありませんでした。マンション名がかろうじてわかるのが、これ。
見えますか?このおしゃれすぎるドアのデザインと、さりげなさすぎるマンション名が。
THE RIVER HOUSE
「ああ!もう絶対ここに住みたい!」
突如出現した欲望にいとも簡単に踊らされ、iphone片手に盛り上がる私たち夫婦に、もはや「ボロセマエキトオ」の影はなかった。
「THE RIVER HOUSE」の正体は「高級賃貸マンション」
インターネッツで便利な世の中。ググったら、こんなに素敵な部屋の中があらわになりました。
http://www.smaheya.com/rent/4891/
「あ、高級賃貸マンションだって」
夫のその一言に、ふたりとも「ああ・・・」と早くも諦めかけた。そりゃあこんなオシャレだもの。やっぱり高いよなあ。だが、気になる家賃は、おや、「高級」という割には案外ぶっとんだ感じでもない。
もしかして、住めるの・・・?
高いよね・・・でも素敵だよ・・・こんなとこに住んじゃうのもありなの!?
そして私たちもこんなオシャレ部屋で暮らすヨーロッパ的オシャレカップルになれるの?
動揺を隠せないまま、私たちはひとまずラーメン屋へと急いだ。今のところは、ヨーロッパ的要素が皆無である。
海鮮丼を前に、「家と暮らし」のバランスを考えた
悲しいことに、ラーメン屋は臨時休業中。「住めなそうで住めそうな憧れ物件」と「ラーメン屋突然の臨時休業」に思考能力を奪われた私たちは、フラフラとその辺に見えた寿司屋へと吸い込まれていった(=空腹が限界に達していた)
そして…
海鮮丼である。
それも、ウニやイクラやサーモン(大好物)が乗った海鮮丼(¥1,800)だ。
かくして食いしん坊な私たち夫婦は、至福のランチタイムへと突入した。
舌の上でとろけるウニを味わいながら、「ああ、普通の日曜日にこんな贅沢をしているなんて・・・」と惚ける私の脳内から、早くも THE RIVER HOUSE の存在が薄れ始めていた。
簡潔に言おう。
「THE RIVER HOUSE に住むためには、この海鮮丼何十杯分を捧げなければならないのだろうか・・・」
イクラのつぶつぶが、ご飯と合わさる。なんという美味。
私はつぶやいた。
「すんごいオシャレだけど家賃高いとこに住んで、外食とか旅行を我慢しなきゃいけないのも・・・もったいないよね」
すると夫は、年に一度見せるかどうかの「はっとした」表情で、力強くうなづいた。
「そんなの、もったいなさすぎるよ…」
食べログで美味しい店を探すのが事実上「趣味」である彼の、切実な一言であった。
そうである。
Sweet+++ tea time
ayako
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