ベトナムはニャチャン滞在も3日目。
店内に川が流れる、とんでもなく贅沢な気分を味わえる森のカフェのお話。
ちなみに、前回の第6話はこちらです。
>>【ニャチャン観光】大聖堂のマリア様と外国のスーパーマーケットへ(ベトナム・ニャチャン旅行記6)
果たして「ツアー」は成立するのか
さて、この日は、ベトナム現地の旅行会社で一日のminiツアーをお願いしていた。日本語のできるガイドさんが同行してくれるとのこと。
ここで、私たち夫婦にはひとつ疑問があった。「ツアー」というからには普通はバス、少なくともワゴン車くらいの車で回るかと思うのだが、そんなにメンバーが集まるのだろうか?
街のどこを見渡しても、日本人らしき人がいないのである。
早朝、ホテルのラウンジで待っていると、「〇〇さんデスカ?」と明るい声で声をかけてくれた色の黒いベトナム人のお兄さんが。(若く見えるが実際は私たちよりずっと年上であった)
おお!本当にツアーなんだなぁと思いながら、ホテルの玄関を出ると、普通の乗用車が一大停まっていました。タクシーのごとく。
運転手さん、助手席にガイドのお兄さん、後部座席に私たち夫婦。
この4人で、今、華々しい「ツアー」がスタートした。
その日の思いつきで、「寄り道」も自由なんです
「サルの島」と「ヨークレットビーチ」に行き、夕方に帰ってくる予定だ。
ガイドさんは気さくな人で、いくつかの雑談をした後、「ベトナムの珈琲を飲みましたか?カフェに行きましたか?」と訊いてきた。
「いえ、行ったことないです」
「すごくいいカフェがあります。この道真っ直ぐのトコロ」
「いいですねぇ」
「行ってみたいデスカ」
「行ってみたいですねぇ」
「ではチョット行ってみまショ」
ガイドさんは前に向き直ると、運転手さんに何やらベトナム語で指示を始めた。
繰り返すが、事前にインターネットで申し込んだ「サルの島」と「ヨークレットビーチ」に行くツアーであった。行き先は当然固定かと思っていた。客も私たち二人しかいないし、自由なものだ・・・動物好きの夫は「サルの島」さえ削られなければOKという雰囲気。
こんなに「贅沢」なカフェがあるなんて!?
車を降りたら、立体的なお庭のような面白い緑に覆われた空間が。
「SKY GARDEN」という名前のカフェ。
本当は縦で撮影すべきだが、街の中でここだけが、こんもりとした小さなな森のようになっていた。
吹き抜けの二階建てで、全体が緑で覆われ煌めき、頭上には美しい夏空が望める、文字通り「スカイ・ガーデン」なのである。
その上に、お店の中にはさらさらと美しい小川が流れている
小石を渡るようにして、店内へ。
なんと、紅色のきれいなお魚も泳いでいた。うん、その名を鯉という。
緑のアーチの入り口から、小石を渡って奥の席や二階席にあがっていく。みんな、ひたすらぼう~っと珈琲を飲んでいた。
入口にたくさん立っている、体にフィットした赤い服を着た若いお姉さんたち。
彼女たちは、店内のいたるところにいて、私たち夫婦が並んで珈琲を飲んでいる最中もずっと背もたれのところに手をちょこんと置き、見守って(?)くれていた。
最初はその存在にびっくりしたものの、ガイドさんもカフェのお客さんも誰も気にしていない様子。
ニャチャンではどこでもそうだが、ここも例外なく店員さんがあふれるほどたくさんいた。ウェイターさんも、赤い服を着た女のひとたちも、みんな一様にぼうっとしたり立ち話をしている。
最初にサービスで出していただくお茶。とても美味しい。
「木漏れ日カフェ」とでも名付けたくなる、爽やかな光景なのだ。
水の流れる音と、木々の揺れる音。
ニャチャン市街から車で数分。
有名なホテルのラウンジよりも、東京のカフェよりも、ずっと「贅沢」なカフェがそこにはある。
そして、この場所へ、ベトナム人は毎日のように気軽に珈琲を飲みに来るのだ。
ガイドさん曰く、夕方の仕事終わり、ここにきて一杯の珈琲を飲むのが一日の楽しみなんだとか。
ベトナムの珈琲と世界のココア
ザ・ベトナムの珈琲!という感じだ。
この銀色の可愛い容器でドリップして、ここに氷をドバっと投入してアイスコーヒーにして飲む。
ガイドさんも夫も、同じものを注文し、濃いアイスコーヒーを氷を溶かしながら大変美味しそうに飲んでいた。
私が注文したものの写真はない。
なぜなら、私のティーカップになみなみと注がれていたものは、正真正銘の熱いココアだったからだ。
ココアを頼んだつもりはなかったが、メニューがよく分からなかったので仕方あるまい。
暑いベトナムのお昼前、私は汗を垂らしながらド甘い熱々のココアを啜った。
「突然の寄り道」が、予期せぬ旅の思い出となった。
ほとんど撮っていなかった夫婦二人の写真もとってもらい、「専属」ガイドさん、本当にお優しいひとであった。
「冗談」みたいな「常識」というもの
ベトナム、ニャチャン。本当に愛すべき地だなぁ感じた瞬間。
8月の終わりでも、正面の緑のアーチに堂々と
「HAPPY NEW YEAR !」
うふふという表情で、この看板を指さすガイドさん。
お店の人も、街のひとも気にしないのだろう。
11月末からイルミネーション、クリスマス当日にはケーキを大安売りし、その夜には全てのデコレーションを撤去して「お正月」モードへ大暴走、それが終わればバレンタインデイと暦とイベントに律儀に大忙しな国の「常識」は、ここではそれこそ「冗談」みたいなのかもしれない。
う~ん、なにはともあれ・・・
季節とイベントが目まぐるしい日本も、楽しくて大好きだけどね。
次は「サルの島」ことラオ島への訪問記。
▽ニャチャン旅行記第8話へと続く▽
Sweet+++ tea time
ayako